グローバルな視点からみた最新市場分析レポートを定期的にお届けします!
※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

vol.2052020年8月28日

世界ヘッドフォン市場、第2四半期の実績値は予想を上回り、小売価格は前年比13%上昇

世界ヘッドフォン市場は、2020年4月~6月の期間、特に5月中旬以降に販売数と価格が比較的良好に推移したため、予想よりも良好な数値を維持した。Futuresource Consultingによる最新四半期追跡速報結果では、第2四半期の価格は前年同期比で13%上昇したことが明らかになっている。また、この調査により、第2四半期の販売数は前年同期比8%の縮小を記録しており、予想を上回ったことも確認されている。

価格主導の戦略が功を奏する

Futuresource Consultingの上級マーケットアナリストAdriana Blanco氏は、「第2四半期は、現在のところ多くの地域でCOVID-19による混乱の最悪期であったにもかかわらず、ヘッドフォン市場は、その一部でロックダウンやリモートワークの恩恵を受けたこともあり、力強い回復力を示した」と述べる。「3月と4月には大きな打撃を受けたが、多くのブランドが製品販促や複数のオファーを打ち出して商戦に戻ってきた。これは、消費者がコロナウイルスの嵐を乗り切るためにホームオフィスやホームエンターテイメント機器を改良している時期と重なっており、間違いなくタイムリーな戦略はであった」

トゥルーワイヤレスが牽引役で、ヘッドフォン出荷台数全体への上昇圧力となり、2020年第2四半期にはヘッドフォン出荷台数の40%以上を占めるまでになった。第1四半期と比較すると、数量はほぼ倍増しており、Appleのトゥルーワイヤレス人気もこのセグメントの平均販売価格を押し上げた。

支配するテックブランド

「Appleは、世界の多くの地域で引き続き好業績をあげている。 AirPods Proの成功が継続したことで、第2四半期のトゥルーワイヤレスセグメントのブランドランキングで首位となり、総合的でも首位を獲得した。この分野では、テックブランドが世界のブランドシェアトップ5のうち4つを Apple、Sony、Xiaomi、Huaweiが占めており、その中でも唯一のオーディオブランドはJBLである」とBlanco氏は述べる。

中国が回復を主導

多くの課題があったにもかかわらず、第2四半期末までに供給側の問題はほとんど解決した。第2四半期に入ると中国が回復を主導し、5月から6月にかけて他の国が後に続いた。中国は過去12ヶ月間、世界のヘッドフォンカテゴリーに対して影響力を発揮しており、XiaomiとHuaweiが先頭に立ってより大きな市場シェアを獲得しようとする途上にある。一方、AnkerやEdifierなどのローカルブランドは、通常は海外市場をターゲットとするところ、パンデミックの間一時的に国内市場に焦点を移した。

対面販売が支配的な場所では問題が残る

「インド、イタリア、スペイン、その他一部の国では、期間中に厳しいロックダウン措置と対面販売への依存が重なったことで、第2四半期の業績が比較的低迷した」とBlanco氏は述べる。「ラテンアメリカのヘッドフォン市場も、国によってパフォーマンスは異なるが、全体としては前年同期比で縮小した」

消費者と小売業者がロックダウンに適応するにつれ、第2四半期にはオンライン販売へのシフトが加速した。Futuresourceが米国、英国、ドイツ、日本、中国で実施した最近の消費者調査の結果によると、三分の一の人がロックダウン中にオンライン購入が新たに習慣となり、ロックダウンが解除された後もオンライン購入を続ける意向であることが明らかになった。

本リリースへのお問い合わせは、英国Futuresource Consulting社の日本での提携先である株式会社TAK・アナリティクス・リサーチ(担当:木村)までお問い合わせください。連絡先は次の通りです。
電話: 03-5776-3637 Email Address: takashi.kimura@takanalytics.com