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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.1382017年5月31日

4K UHD の浸透の深まりが、激化するテレビ市場での価値維持を促進。

Futuresource Consulting による最新の予測によると、4K UHD テレビ(4K 超高精細テレビ)の売り上げは、2017年度においてさらに38%増加し、世界のテレビ販売市場の3分の1以上を占める見込みである。この売り上げの拡大は、ほとんどの地域において4K UHD 向け地上波放送コンテンツが依然として少ないにもかかわらず、4K UHD がテレビの総売り上げの25%を上回った2016年の好成績に引き続くものである。

テレビ世界市場調査レポートの中で、テレビの総市場は2015年の小幅減少に続き、前年並みの2.26億台であったと Futuresource は述べている。貿易額は850億ドルとなり、前年比1%の減となった。「今年度の見通しもまたゼロ成長であり、既存市場にとっては特に厳しいものになると思われます」と Futuresource Consulting の市場アナリストの David Tett 氏は言う。「成熟市場は飽和状態に達し、その成長は横ばいです。消費者に通常よりもより早めのアップグレードを促そうと、販売店は最新の製品に見られる、4K UHD や有機EL( OLED )、ハイダイナミックレンジ( HDR )や湾曲画面、最新のスマート TV 機能やサービスといった新機能を強調しています」2017年はまた、大きな世界規模の放送イベントもなければ、売り上げに弾みをつけるような大規模なアナログからデジタルへの移行も多くはない年であるとレポートは述べている。

有機 EL と液晶ディスプレイ( LCD )の争いが中心となっており、競合するのは主に世界最大のテレビ販売会社である LG とサムソンである。企業の多くは次々に自社のテレビに LG 製の有機 EL を使用し、ソニーが最近ではその代表である。

一方で、サムソンは LCD を基盤としたスクリーン技術の領域を拡大し続けており、2017年のラインナップであるQLEDと命名されたテレビで有機ELに対抗している。

2016年の平均小売価格は550ドルに達し、4K UHD の販売台数の増加や、プレミアム市場における有機EL販売の加速、より大きなスクリーンサイズの需要などを理由とし、予測対象期間を通して高騰することが予想されている。32インチのカテゴリーにおける価格高騰が特にめざましく、ひとつには可用性の問題や為替変動の影響が理由として考えられる。ブランド間の競争は激化傾向をたどり、サムソンが1位の座を守っている。「中国ブランドはビジネス成長を求めて海外展開を続けています」と Tett 氏は言う。「世界トップ5ブランドのひとつであるハイセンス( Hisense )は2016年の UEFA 欧州選手権のスポンサーとして高い注目を集めていましたし、ふたたび2018年のワールドカップのスポンサーにもなるでしょう。衰退している国内市場の外でビジネス成長を求めつつ、TCL やハイセンスのようなブランドはアメリカやヨーロッパでの足がかりを築いています」

Futuresource Consultingから5月に発行されたホームビデオプレーヤー市場調査レポートによると、今年のUHD ブルーレイプレーヤーの売り上げ台数は148%増の140万台へと増加すると予想されており、それはブルーレイプレーヤー市場の8%に等しい。「4K UHD 向けの放送は依然としてそのほとんどがスポーツに限られています。特にアメリカと西ヨーロッパのハイエンド消費者層は映画コンテンツを観ようと UHD ブルーレイプレーヤーへと目を向けています。この成長は、4K UHD テレビオーナー層がますます増加していることに加え、UHD ブルーレイ向けにおよそ250作品が今年発売されることで後押しされることでしょう」とシニア市場アナリストの Jack Wetherill 氏は言う。

Futuresource Consulting によるテレビ世界市場およびホームビデオプレーヤー市場調査レポートは2021年までのテレビ、ブルーレイと DVD プレーヤーの世界需要を予測している。

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