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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.1452017年9月28日

SVoD成長の次の波を牽引する人口動態およびプレミアム層の変化

NetflixとAmazonが2017年の上半期も引き続き先陣を切るなかで、Subscription Video on Demand (SVoD)が成熟度の増加にかかわらず依然その勢いを維持している。この報告はFuturesource Consulting社が米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、日本を対象に年に2度発行する「Living With Digital」消費者調査レポート最新版による。

英国では全世帯の半分を少し下回る割合、そしてフランスでは約4分の1の世帯が最低1つのSVoDに加入している。これに比べ米国の加入者数は全世帯の3分の2という割合だ。複数のSVoDサービスに対する需要は米国において特に顕著である。番組の種類がより幅広く提供されるようになったことや、さまざまなサービスで異なるコンテンツにアクセスできるのがその理由だ。

Netflixがほとんどの市場において主たる牽引役であることは変わらないが 、「Living with Digital」の調査によれば、同サービスが確立されつつある国では、将来の成長の加速は高齢者層のサービス購入によって促進されることが多くなると考えられる。Netflixの米国以外での主要な国際市場である英国では、16〜35歳の60%以上がNetflixを使用しており、ペイテレビの普及率を若干下回っただけの普及率だ。それに比べ35歳以上でNetflixを使用している人はわずか25%であり、ここに将来の成長の最大のチャンスが見られるのだ。

フランスでは、リピーター加入者が今年上半期のNetflixの業績向上に一役買ったが、ほとんどの市場でサービスのプレミアムプランの普及が増加しており、ドイツでは加入者の27%がこのオプションを利用している。

主要市場の数多くにおいてNetflixの主要なSVoDライバルであるAmazonでも、2017年の現在の時点までは同社のプライムサービス全体で好調な業績を確保している。今では米国の回答者の3分の2がプライムを使用し、ドイツではその数は50%に近づいている。フランスでは、2016年末にプライムビデオが新しく発売されたことに伴って、プライムサービスが全世帯のほぼ4分の1に達した。

Netflixの勢いがすべての国で視聴者にとってのオリジナルのテレビ番組の重要性への高まりに起因しているのは間違いない。同調査では、特に米国、イタリア、スペインにおいてこの重要性が高まっていることを明らかにしている。これにより、Netflixがオリジナルコンテンツの重要性という点でAmazonプライムビデオ(プライムビデオの確立国において)との差を広げている、という状況も確認されている。

同調査ではまた、Netflixを見るための最初のプラットフォームはスマートテレビだという回答者が多いことから、スマートテレビがNetflixにアクセスするための最も重要なハードウェアであることも明らかになった。米国では、Netflixユーザーの39%がアクセスデバイスとして最も多く使用しているのはスマートテレビであると回答しており、これに加えてさらに10%が、他のデバイス(スマートフォン、タブレット、パソコンなど)からの視聴を続けるための補助デバイスとしてスマートテレビを使用していると答えている。類似の傾向はAmazonプライムビデオ確立国の同ビデオユーザー全体にも見られる。これに対しiTunesビデオのユーザーは、大画面での視聴には主にApple TVボックスに依存している。

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