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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.962015年8月28日

配信エンコーダー市場の収入は2020年までに21%減少

2015年8月5日英国Dunstable発-英国市場調査会社Futuresource Consulting社による最新レポートによると、ブロードキャスト(リニア)エンコーダー市場は今後5年間で縮小していくという。収入金額は配信市場で21%減、コントリビューション市場で10%減になるという。

成熟市場においてはHDへの移行といった技術面での促進要因が色褪せているほか、より効率的なコーデックへの移行も緩慢であり、レガシー的なインフラやエンドユーザーの予算減少による制約を受けている。同時にこの業界はソフトウェアをベースとするエンコーディングに移行しつつあり、それは特に配信エンコーディング内で価格帯のさらなる低下につながるだろう。

「エンコーダー市場にはかなりの変革がもたらされようとしています。この業界が嵐を乗り切ろうようとするならば、新たな市場ドライバー、新興市場での相応の成長、そして最も重要な要素としてアプローチの変化が必要になるでしょう」と、Futuresource ConsultingのAdam Coxシニアアナリストはコメントしている。

実際、この業界には4KやHEVCといった形の市場ドライバーはある。しかし、これらは第一世代の製品のため価格帯が高くなっている。Futuresourceではこれらの製品が短期的に大きな影響をもたらすとは考えていない。3Dがうまくいかなかったことで多くのユーザーが慎重になっているなか、大金を投資をする前にどのような移行の流れや技術の進化が起きるかを見極めているところだ。

新興市場に関してはAPAC(アジア太平洋)そしてある程度は中南米のエンコーダー市場において、需要増加を受けたブロードキャスト市場の急拡大を伴うデジタルへの移行もあり、数量面では相当の拡大を享受している。ただし、価格帯があまりに低いため、数量増にも関わらず金額ベースでは今後数年の間減少が続くだろう。

アプローチの変化についてはソフトウェアエンコーディングの形で表れてくるだろう。2014年に出荷された配信エンコーダーの大部分、81%は今でもハードウエアが基本になっているが、エンドユーザーの姿勢がCAPEX(投資支出)からOPEX(運営費)へ移行する一環として低価格帯製品を受け入れるために、この割合は2019年までに41%まで下がるとみられる。さらに、こうした新たな課題に対処するためにメーカーはおそらくソフトウェア・アズ・ア・サービスの提供ラインとともに自社のビジネスモデルを変革・進化させていかなくてはならないだろう。

「エンコーダーはブロードキャストチェーンの中核部分ですので、市場が4Kやさらに効率的な圧縮技術に移行していくにつれアップグレードされなくてはならないでしょう。ですからエンコーダー市場が復活してくるのは明白です。ただそのためには変化が必要です。ソフトウェアエンコーディングを受け入れ、これらすべてを提供していくのが重要かつ必要なステップになるでしょう」と、Cox氏は続けてコメントしている。

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