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vol812014年11月19日

スマートテレビの販売が急上昇、テレビ会社はコンテンツ戦略を再考

2014年11月7日英国Dunstable発―2013年の世界におけるスマートテレビの販売台数が9,000万台に達し、2018年にかけて年平均21%の増加を続けて2億2,800万台になるという調査結果がFuturesource Consultingの最新スマートテレビレポートで明らかにされた。

「先進地域では、2014年末までに家庭の30%がスマートテレビを保有し、その割合は2018年までに70%まで上昇するでしょう」としたうえで、「消費者はただその機能を購入しているのではありません。実際に使用しています。現在、家庭にあるスマートテレビの約80%はインターネットに接続されていますが、内蔵型Wi-Fiや自動起動型の普及がこの数字を押し上げ、2016年までには90%を超えるでしょう」と、Futuresource Consultingのシニア市場アナリストであるJack Wetherill氏は述べている。

「4,000人を対象として最近当社が行った国際的な消費者調査において、(スマートテレビ)所有者の半分超の方が週に最低1回はスマートテレビ上のサービスを利用しているほか、米国の所有者の40%はそのサービスを毎日利用していることがわかりました。」

ただしFuturesourceの調査では、このような消費者の活動実績があるにもかかわらず、投資に対する直接的なリターンが限られていること、UHD(超高精細)へのシフトが集中していることを理由として、この業界がスマートテレビ戦略を再考する可能性を示唆している。

「テレビ各社にとって、アプリやコンテンツからマネタイズする機会はほとんどありません。それは、消費者の関心が無料ビデオや加入者向けビデオに集中し、他のジャンルや全般的なウェブ利用への関心が低いからです。これは携帯市場とは根本的に異なる姿です」としたうえで、「特別なコンテンツを提供することで差別化を図るのも困難であるほか、説得力のある使用例はいまでもほとんどありません。さらに、プラットフォーム開発やアプリ開発者のサポートに要する費用は高くつき、実のある成果を生み出していないのです」と、Wetherill氏は述べている。

「リターンが得られない状態を超えたところにまで行ってしまう可能性があります。消費者はスマートな機能やアプリをますます期待するようになり、メーカーが自社製品上で機能を削って競争力を保てる見込みはなく、そのような形で市場は発展していくでしょう。」

このスマートテレビの絶対的な力が意味するところは、Googleが将来の開発やサポートの負担を共有するようになるにつれて、多くのテレビ会社がAndroidテレビへ向かって行くことなのかもしれない。Sonyは2015年にAndroidセットをローンチすることをすでに表明済みで、中国系の2社、TCLとTPVisionも同様である。Samsungはスマートテレビで相当高いシェアを持っており、自社のプラットフォームとアプリプログラムを維持するほか、同社だけのコンテンツを追求していくとしているが、同時に、Googleの代替的なオープンOSとしてのTizenの販促も行っている。

「業界の注目はUHDと 局面スクリーンに集まっていますが、スマートテレビは付加価値機能として引き続き市場に行き渡っていくでしょう。そして、音声や動きの認知などUI(ユーザーインターフェース)の改良やタイル型のナビゲート画面、デバイスのミラーリングなど、プレミアムセットの提案の一つとして販売時に消費者に訴求することができるでしょう」と、Wetherill氏は述べている。

「オンラインビデオにアクセスする方法は多数ありますが、スマートテレビは、放送とブロードバンドサービスを単一のユーザーとコントロールインターフェース内で1つにします。その意味でデジタルメディアのアダプターなどとは一線を画すと同時に、ターゲット広告の挿入やウェブ・放送のオーバーレイなど、長期的な双方向コンセプトへの扉を開くものとなるでしょう。」

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