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Vol.212012年5月18日

サウンドバー市場の成長

「サウンドバー」、2つ以上のスピーカーを内蔵したTV接続用一体型スピーカーシステムのグローバル出荷数は、2010年から2011年にかけて約倍増し250万台に近づいた。2016年までの予測は右肩上がりである。

ここ10年におけるサウンドバー販売対象者は、複数のスピーカーやコードからなるホームシアターシステムをセットで揃えるスペースは無いが高音質を楽しみたいという比較的ハイエンド ユーザーであった。しかしながら、昨今の薄型TVブームでTV本体のスリム化が進む中、音質では妥協を迫られているTVの実態に呼応し、ホームシアターシステムを購入するまでには至らないが少しのエキストラで良い音質を楽しみたいという消費者に対象が拡大していることから市場は伸びを見せている。店頭でTV販売時に、音質向上の為のオプションとしてサウンドバー購入を薦めているケースが多い。

世界市場をリードしているのは北米で、出荷数では3分の2以上のシェアを占めている。2016年までの推移でも、北米の世界一シェアは続くと思われる。メーカーも小売業者も積極的にサウンドバーの販売を促進しており、大手TVメーカーは、TVとサウンドバー セットでの特別価格を提供している。

ヨーロッパでの動きは、北米に比べると遅く、2011年のグローバル出荷数では20%以下のシェアに留まった。この主な要因として、ヨーロッパの家庭は比較的にスペースにゆとりの無いことが考えられる。また、これに加え、多くの国々においては、サウンドバーに対する小売業者の認識が依然薄いことがあげられる。

日本では、ヨーロッパよりも早くにサウンドバーが受け入れられた。市場は急速に成長してはいるが、日本はホームシアター製品の大市場ではない。2011年の出荷数における日本のシェアは8%以下で、今後ヨーロッパや他の国々の伸びが予測されていることから、2016年までには日本のシェアは半減すると思われる。

サウンドバー市場は成長してきてはいるものの、マスマーケット的商品にはならず、2016年に至る世界世帯普及率は2%程度に留まるとFuturesource Consultingは予測している。