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Vol.322012年10月16日

CEATEC Special
2012年グローバル家電市場 概略

厳しい経済情勢、主要製品 (TV・カメラ・ホームビデオ等)市場の飽和化、タイの洪水被害や東日本大震災の余波にもかかわらず、2011年のグローバル家電市場の出荷額は、対前年比6.3%の伸びを見せ、US$ 5530億ドルに達した。

Futuresource Consultingは、2012年の対前年比成長率を4%と見込んでおり、2011年~2016年の平均成長率は1.7%になると予測している。

成熟市場での成長分野は、何と言ってもスマートフォンとタブレットPCで、従来型のモバイルPCのみならず、MP3、カムコーダー、モバイルゲーム機やナビゲーション装置といった使用目的の限られた製品の需要に影響を及ぼしている。このような傾向にあっても、eリーダーは例外で、低価格と電子書籍の人気にその需要は支えられている。

西ヨーロッパでは、景気低迷に加え、従来の「黒物家電」で70%のシェアを持つ薄型TV市場が飽和状態にあることから、モバイルデバイスの成長にもかかわらず家電市場は縮小している。

米国も、スマートフォンとタブレットPCの成長を抜きにすれば、市場の伸びは無きに等しい。新興国市場は引き続き強い伸びを見せ、欧米での需要低迷を相殺するであろう。新興国市場においても、最大の成長分野は、スマートフォンやタブレットといった多機能モバイルデバイスである。

DVD/BDプレーヤーの需要は、デジタルコンテンツやインターネットデバイスへの移行により減少傾向にある。

DVR (デジタル ビデオ レコーダー)の需要は伸びてはいるものの、小売販売での成長はわずかで、90%はPay-TVオペレーター市場である。キャッチアップやオンデマンドTVといったクラウドシステムでのタイムシフト機能が長期的トレンドとなろう。オーディオ部門は、デジタルスピーカーや無線接続、サウンドバーの成長によって支えられてはいるが、「重量」があるHiFiの需要は減少しつづけており、これはハイエンドブランドにとっては悩みの種である。

モバイルアプリのゲーム機市場侵蝕に加え、タブレットPCに消費者の関心が向いていることから、ゲーム市場も縮小してきている。長期的には、インターネットTVでのゲームコンソールの展開が視野に入れられている。

車用のインフォテイメント市場は2009年の景気後退から回復を見せ、自動車の販売と共に成長してきており、新しい車載システムの統合化も進んでいる。カーオーディオ市場は成熟してきている。車載ナビゲーションシステムとスマートフォンの影響でPND (パーソナル ナビゲーション デバイス)市場には衰えが伺える。