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Vol.222012年6月11日

2012年のセットトップボックス売上高はグローバルで2億2千8百万台に達する見込み

Futuresource Consultingの最新レポートによれば、セットトップボックス (STBs)の需要はここ数年順調な伸びを見せており、2012年の世界出荷台数は2億2千8百万台に達する見込みである。しかしながら、北アメリカや西ヨーロッパのようなpay-TVの成熟市場は、この先徐々に衰えを見せ始めると思われる。

STBsは、膨大な利用者を有するpay-TVサービスの提供にあたり今後も主要な役割を担ってゆくであろう。2015年までの予測期間、またそれ以降においても、十分な需要が見込まれており、新サービス提供のためのプラットフォームを確立し、オンデマンドや録画などの機能充実で顧客の満足度を引き上げると思われる。今後も進むデジタル化とアジア太平洋地域及び南アメリカにおける市場拡大が今後の需要継続に貢献することになるであろう。

ハードウエアでは、数社がメディア・ゲートウエイ、スマートボックスと称した新世代STBsを発表しており、トランスコーディング・無線ルーティング・マルチプルプラットフォームでのコンテンツ管理 & 配信・マルチルーム配信といったプレミアム機能を提供している。しかしながら、これらは高額なことから、短期間でのグローバルな展開は期待されていない。

成熟を見せる多くのPay-TV市場では、動画関連の収入が減少してきていることから、ケーブル事業主は刺激剤となる新サービスの提供に目を向けており、新世代STBsが誇る最新機能でのホームマネージメント ・ セキュリティシステム・ゲーム・健康管理 などエキサイティングな新機能が発表されてきている。

西ヨーロッパでは、2015年までに更に1350万の家庭がデジタル化すると見込まれている。この大半は、アナログからデジタルへの移行に伴うものであろう。しかしながらその一方で、ケーブル利用世帯数の総計は減少すると予測されている。これは、アナログ利用者の多くが、衛星放送サービス(Free-to –air)やpay-TVの代わりとなるサービスに切り替えると考えられているからである。成熟市場においては、プレミアムビデオサービスや充実したブロードバンドパッケージが成長の鍵を握っている。

北アメリカでは、2010年から2011年にかけ、デジタルケーブル世帯数が4%の伸びを見せた。しかしながら、アナログ世帯数の25%減で相殺される結果となった。2015年までの予測期間において、ケーブル利用世帯全体としては減少が予測されているが、デジタルに限れば、ゆっくりではあるが成長が期待されている。

既存のサービスに限界が見えてきていることから、ケーブル事業主の関心はビデオ配信以外のサービス開発に向いている。ホームネットワーキングのインフラ整備や、携帯デバイスでの室内照明や温度、またホームセキュリティの操作を可能にすることなどがこの例である。競争市場の原理から、このようなサービスは普及の一途を辿ると思われ、収益が芳しくない事業主にとっては成長の好機になると言えよう。