CEATEC JAPANは2011年より家電・端末・デジタルイメージ・ メディア・プロIT等の各分野において優れたデータ分析能力を誇る英国の調査・コンサルティング会社であるフューチャーソース・コンサルティング社とパートナーシップを締結しました。
消費者家電からプロ用機器分野まで、最新の技術動向や市場トレンド予測の最新レポートを、70人以上の常勤リサーチャーを抱えるナレッジパートナー フューチャーソース・コンサルティングが定期的にお届けします。

Vol.192012年4月25日

3D市場: グローバルな成長継続

Futuresource Consultingの新戦略レポートによれば、3Dは多様なエンターテイメント市場においてグローバルな成長を継続すると思われる。

BRIC諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)での興行収入は、3Dの波及効果で過去最高を記録した。デジタルスクリーンの設置及びマルチプレックス(複合映画館)建設に拍車が掛かっており、短期及び長期成長の土台を築き上げてきている。3D の恩恵にあずかり、BRIC諸国の2011年興行収入総計は10億ドルに届く勢いを見せた。中でも 中国の成長は目覚しく、この2年で収入は2倍強増、世界第3位の市場となっている。

放送業界に目を向けると、普及の鍵を握るのは家庭での3D対応技術である。ロンドン五輪が3D広報宣伝活動の火付け役となることから、この6ヶ月が有料TVオペレーターにとっては絶好のチャンスといえ、今注目が集まっている。

課題は3Dコンテンツ不足で、これは特に有料TVオペレーターの足かせとなっている。フランスの「カナル・プラスCanal Plus」は、3Dサービス終了に至った主要原因として、コンテンツ不足と視聴者数の伸び悩みを挙げている。コンテンツの充実及び自社製品の販売促進を目的として、主要家電メーカーは3D オンデマンド サービスの提供を開始した。これは、ここ3~6ヶ月の動きで、主に短いフィルムクリップ/予告編にとどまっている。

現在3D Blu-rayコンテンツは限られてはいるものの、作品数は確実に増加してきている。アメリカでは、2011年末時点で100タイトルに迫り、2010年の19タイトルから大きな伸びを見せた。Futuresource Consultingの予測では、2012年末までに175タイトル、2013年には更に105タイトルがリリースされ300タイトルに近づくと思われる。

ハリウッド大手並びに独立スタジオの作品に加え、ドキュメンタリー等のニッチな作品も見受けられる。西ヨーロッパにおいて、3D Blu-rayが視聴できる家庭(3D TVに加え、独立した3D Blu-rayプレーヤーもしくはPS3を所有する家庭)は、2011年に300万世帯強に及んだ。 2012年には約900万世帯、2016年までには40%以上の家庭で3D Blu-rayの視聴が可能になると見込んでいる。

2012年の3D市場は、3D Blu-rayコンテンツの増加と、「バットマン」「スパイダーマン」「ホビット」などのブロックバスター映画 の3D映像により強い伸びが期待されている。Futuresource Consultingは、2012年のアメリカにおける3D Blu-ray作品の販売数は1100万を超え、Blu-ray総販売数の約10%に及ぶと見込んでいる。 2016年までには約4本に1本のBlu-ray作品が3D Blu-rayになると思われる。西ヨーロッパでの3D Blu-ray販売数は、2012年末には800万に達すると予測している。