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Vol.302012年9月13日

ポータブル ミュージック デバイスの人気で活力を得るヘッドフォン市場

Futuresource Consultingの新レポートによれば、AVヘッドフォンの世界市場は、2011年のUS $50億から20%の伸びを見せ、2012年にはUS $60億の市場となる見込みである。ミュージックプレイヤーとして主流となってきているのがスマートフォンやタブレットを含むポータブルAVデバイスで、イヤフォン&ヘッドフォン(in, on & over-ear ヘッドセット)市場では2016年までの予測期間を通しての強い伸びが期待されている。

出荷数では、2011年の2億2800万台から2012年には2億6000万台強への伸びを予測している。予測期間を通して堅調な伸びを見せ、2016年には3億3000万台に達する見込みである。スマートフォンやタブレットを含むポータブルデバイス所有者数の増加、デジタルコンテンツの急増、また個人の複数ヘッドフォン所有が市場を活気づけており、この傾向は続くと考えられる。

更なる多種多様化が進むヘッドフォン市場において、他社との違いを打ち出し、鍵となる顧客層に独自の特性とその利点を浸透させることに、主要メーカーは多額な投資を行っている。

ファッションとデザインは、購買の意思決定において重要な役割を担っており、10代の若者や若い音楽愛好家に人気のあるSkullCandyやMonsterといったブランドはシェアを伸ばしてきている。

出荷数で市場を独占しているのは、Sony、 Philips、 Sennheiser、 JVCである。売上額では、以前にも増して高級ブランドのシェアが増しており、革新的なデザイン、有名人での露出度アップ、また伝統ブランドとしての価値重視がその背景にある。Bose、 Monster/Beats by Dr. Dre、 Skullcandy、AKG等がその例である。

タイプ別では、平均販売価格US $25のin-earヘッドフォンが依然市場を独占しており、出荷数の60%強を占めている。しかしながら、特に先進諸国においての昨今の高級over-earヘッドフォンの伸びには目を見張るものがあり、この影響で、平均価格は8%伸びUS $22に達している。2011年出荷数総計でのover-earヘッドフォンのシェアは16%であった。

今回のオリンピックは、効果的なマーケティング戦略や有名人の影響力を通してブランドに最大の宣伝効果をもたらす有益な機会となった。大会を通して、スポーツブランド以外の宣伝は厳しく取り締まられていたにもかかわらず、高級ブランド数社は、選手に自社の製品を無償提供することでこの規制を回避。与えられたヘッドフォンを競技場で使用している選手が多く見受けられた。世界中の多くの人々が声援を送りながらオリンピックを楽しんだことから、露出度が上がった高級ブランドの今年の販売数は更に伸びると思われる。

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