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Vol.272012年8月20日

2012年世界のTV出荷台数は2億3900万台に留まる見込み

Futuresource Consulting「TV市場追跡レポート」によれば、2012年の世界のTV出荷台数は2億3900万台に留まる見込み。

日本と西ヨーロッパの市場縮小が著しく、2012年Q1 (1月~3月)対前年比は4%強の減となった。しかしながら、「欧州サッカー選手権」及び「ロンドンオリンピック」といった大イベントの影響で、通常のサイクルよりも早く買い替えが進んだと思われ、Q2 (4月~6月) & Q3 (7月~9月)にかけての市場回復が期待されている。とは言っても、買い替え時期が1年またはそれ以上早まるという訳ではなく、これは一大スポーツイベントによる2012年の動向に留まると思われ、Q4 (10 月~ 12月)の需要は減ると予測している。

2012年通算では、新興国市場が7%の成長を見せるのに対し、成熟市場では12%減となり、全世界の総出荷台数では対前年比2%減と予測。

ディスプレー技術の面では、価格差の縮まりから、LED (発光ダイオード)液晶パネル がCCFL (蛍光管)液晶パネルに代わり主流となってきている。世界のプラズマTV出荷台数は、2012年Q1 対前年比で20%強の減となった。今後40インチ以上のLED液晶TVシェアが伸びると 予測され、2012年世界総計でのプラズマTV対前年比は14%の減になると思われる。

2012年下期には、大画面の有機EL TVの発売が待望されているが、高価であることからここ数年は液晶TVの独占市場を脅かすことはないであろう。2012年の有機EL TV出荷台数は5万台強になると予測している。

LED技術の導入をリードしているのは日本で、2011年の国内出荷台数ではLED液晶TVシェアが62%を占めた。日本国内でのプラズマTVシェアはわずか4%で、残りはCCFL液晶TVであった。

2012年の世界のフラットTV 出荷台数に占める3DTVの割合は18%となる見込みで、対前年比は150%に近づくと思われる。Q1に販売は加速し、中国と西ヨーロッパではTV販売総数の20%近くに及んだ。しかしながら、米国では遅れが見られ、3D対応の販売台数は10%をわずかに超えるに留まった。全体的に3Dの価格は下がってきており、比較的安価なパッシブ方式を含め多様な機種が発売されてきていることが需要増に繋がっている。メーカーは3D対応機能を低コストで追加できることから、ハイエンドモデルへの搭載が進んでおり、3D機能を欲しての購入ではなく、購入したハイエンドモデルが3D対応という現況にある。一般家庭においては、裸眼が主流になるまでは3Dへの関心は低レベルに留まるかもしれない。グローバルに裸眼が広まるには少なくとも3年は掛かると思われる。

コネクテッド デバイス所有率は、タブレットやスマートフォン、さらに最近ではコネクテッドTVによって驚異的な成長を見せており、エンターテインメント業界全体の構造を変えてきている。消費者との関わりはこれまで以上に密接になっており、欲しいものを欲しい時に提供することが求められている。インターネット接続の需要が増していることで、コネクテッドTVのインターネット接続台数も着実に伸びており、インターネットへの接続は主要メーカーの標準機能となりつつある。2012年の世界のコネクテッドTV出荷台数は対前年比45%増となる見込み。地域・国内での販売シェアでは日本が67%で市場をリードし、米国・西ヨーロッパがこれに続くと思われる。

フューチャーソース コンファレンス (日英同時通訳付き)
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