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Vol.202012年5月7日

タブレットPC 所有者 人口比率 アメリカ & 西ヨーロッパ合算 - 今後2年間で200%増の見込み

Futuresource Consultingの最新レポート「Tablet Technology and Markets Report – タブレットPCの技術と市場」によれば、2011年のタブレットPCグローバル販売総数(一般消費者向け 及び 企業・公共団体向け総数)は6400万台を超えた。2016年には2億3200万台に跳ね上がる勢いである。

アメリカと西ヨーロッパを合わせた消費者市場におけるタブレットPC所有者の人口比率は、今後2年間で200%増の見込み。利用台数では、両地域合算で2011年には5200万台に近づき、2013年には1億5300万台を超える見通しである。所有者人口比率をリードしているのはアメリカで、西ヨーロッパは更なる成長が期待される市場と言える。

タブレットPCはネットブックの需要を侵食してはいるが、一般消費者は、代替としてよりも従来のPCやMacに加えたもう一つのデバイスとして購入している。この動向を反映して、2011年のグローバル市場では90%以上が一般消費者向けであった。

タプレットPCはアプリ市場の成長に大きく貢献しており、2011年のダウンロード数シェアでは10%がタブレットPCによるものであった。マルチプラットフォームでのアプリの開発は留まるところを知らず充実の一途を辿っていることから、2016年にはタブレットPCのダウンロード数シェアは約2倍になると思われる。Futuresource Consultingの「Living with Digital」消費者動向調査によれば、特に米国において、タブレットPC利用者が有料アプリを購入する傾向にあり、これは特筆に値する。

タブレットPCはメディアユーザーに支持されており、コンテンツ提供者にとっては 、既存のサービスに付加価値を与えるコンテンツ開発で増収が狙える大きなビジネスチャンスと言える。タブレットPCは大画面TVに取って代わりはしないであろうが、複数端末用アプリで携帯端末でも高画質な視聴が可能となってきていることから、オンラインビデオ市場の成長にも一役買うと思われる。

iPad発売以来Appleが市場を独占してきたが、Samsung、Amazon、AsusのAndroid搭載デバイスの人気は高まっており、もはやiPadの独占市場ではなくなってきている。より高性能な端末、またコンテンツを複数端末で楽しめるプラットフォームの開発で、他のメーカーシェアの顕著な伸びが期待されている。

タブレットPCは、ニュース配信にも革命をもたらしている。殆どの報道機関はデジタル版を発行しており、アマゾン・キンドル(Amazon Kindle)のような電子ブック専用デバイスと共に、印刷書籍から電子書籍への移行を促進している。米国では、電子書籍年間売り上げの顕著な伸びが見込まれており、2011年の20%から2016年には約70%にまで伸びると予測されている。英国でも同様の動きが見られ、2016年には約40%を電子書籍が占めると思われる。