グローバルな視点からみた最新市場分析レポートを定期的にお届けします!
※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

vol.1872019年8月31日

セキュリティと監視がスマートホーム市場の成長を促進

スマートホームデバイスの普及は着々と進んでおり、Futuresource Consultingの最新市場レポートによれば2019年には1億3,700万台の出荷が見込まれている。これは貿易額160億ドルに値し、2018年比で37%増となる。ホームハブの売り上げが低迷しても、その影を薄くさせるかのように他のカテゴリーの成長が加速をみせた。成長は引き続き堅調だが、現在のペースは前回のFuturesourceの予測をわずかに下回っている。

「現在スマートホームは家電業界で最も急速に成長しているカテゴリの1つであり、ベンダー、小売業者、カスタムインストール業界、サービスプロバイダーにとっては多くの機会が見つけられる分野だと思います」とFuturesource Consultingのプリンシパルアナリスト、Jack Wetherill氏は言う。「今年はセキュリティと監視のカテゴリが出荷の最大のシェアを占めると予想されますし、スマートロックが1つの独立した人気カテゴリになりつつあります。ビデオドアベルをはじめとする各種セキュリティ・監視デバイスのすべてが活発な活動を生み出していることからも分かります。」

「これを支えてきたのが、小売業者とサービスプロバイダーです。製品の認知度を高めたり製品を消費者に届ける上で、中心的な役割を果たしている方々です。小売業者の方々には、サービスを提供するだけでなく、より多くのデバイスを販売する機会があります。2018年にはAmazonがRingを買収しましたが、スマートホームに機会を見る小売業者にとって、これはその機会の最も顕著な例といえます。これにより、宅配の簡便化のゲートウェイが提供されるからです。
サービスプロバイダーにとっては、スマートホームデバイスがひとまとめになれば、新たな収益源の創出と顧客離脱率の削減が組み合わさるようなものです。」

ベンダーVA戦略

音声アシスタント(VA)はスマートホームデバイスの普及にとって重要な要素だが、音声技術が必ずしもデバイスに組み込まれているわけではない。ベンダーのほとんどが“Works-With(連携)”戦略を採用している。独自の音声技術がなくても、スマートスピーカーと組み合わせた場合、ホームオートメーションデバイスを音声コマンドで制御できるというわけだ。技術的には複数の音声支援プラットフォームを単一のデバイスに組み込むことは可能だが、AmazonもGoogleも単一のVAテクノロジーを統合するデバイスにしか認証を提供しない。これにより、ベンダーがデバイスに組み込むプラットフォームを使用する消費者向け「ビルトイン」デバイスの市場が結果的には削減されてしまうことになる。

「スマートホームは、ホームオーディオを追従し始めるかもしれません」とWetherill氏は言う。「Sonosは2019年にモデルをローンチしました。ユーザーは2つのプラットフォームのいずれかを選択することができます。両方のプラットフォームを同時に選択することはできませんが。Boseも自社スマートスピーカーとサウンドバーで同じモデルを採用しています。ホームオートメーションのソリューションはもうすぐそこまで来ているのかもしれません。」
Futuresourceでは、スマートホームデバイスの出荷はレポート期間を通じて着実に増加を続け、2023年までの出荷量CAGRは37%と予測している。

本リリースへのお問い合わせは、英国Futuresource Consulting社の日本での提携先である株式会社TAK・アナリティクス・リサーチ(担当:木村)までお問い合わせください。連絡先は次の通りです。
電話: 03-6408-5566 Email Address: takashi.kimura@takanalytics.com