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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.992015年9月11日

急成長を続けるバーチャルリアリティー、さまざまな産業で新規市場を開拓

2015年9月7日英国Dunstable発―英国市場調査会社Futuresource Consultingによれば、バーチャルリアリティー (VR) による現実と見分けのつかない没入体験がさまざまな産業で新規市場を開拓し、多様化と統合が進んでいると発表。

常に新しいテクノロジーを先取りしてきたゲーム業界は、VR分野で先頭に立っており、来年には世界で250%という急成長を見せる両眼式ヘッドマウントディスプレイ市場を活用している。360度全天球型単一ユニットカメラに向けた消費者市場の急成長は、Go Proが牽引するアクションカメラ市場の成長の上に成り立っている。昨年から今までに760万台のアクションカメラが出荷され、2016年までに1,110万台に達するとみられる。この分野における360度全天球型カメラのシェアは拡大する見込みだ。ユーザーの創り出すコンテンツが、VR普及促進の鍵になると予想されている。

また、トレーニングや娯楽、教育を目的としたB2Bアプリケーションも、VRにとって活気に満ちた新たな分野になると見られている。例えば、フライトシミュレーションや、実物を鑑賞できないインドの学生がニューヨークのメトロポリタン美術館を擬似体験できるウォークスルーのような利用場面が考えられる。

Futuresource Consultingのディレクター、Sarah Carroll氏は次のように語る。「VRの可能性はゲームにとどまりません。VR産業がもっとも実現したいと考えているのは、映画・テレビのコンテンツ制作で広範囲に採用されることです。中でも実現したいのは、メディアをはるかに多くの視聴者に開放しているライブ放送です。」

既にスポーツ産業では、NBAやスポーツイベントを撮影するFoxのような放送局でVRが活用されている。Carroll氏はこう続ける。「スポーツとエンターテイメントのフランチャイズは、スタジアムにいる人と自宅にいる人の両方にライブイベントのチケットを販売できるチャンスに大きく色めき立っています。スタジアムのあらゆる場所が映像化されており、その内容を使って自分だけの体験をすることができるのです。例えば、舞台裏、ダグアウトにつながる地下通路、ベンチ、そういった場所に自分がいるような体験ができるのです。ただしこれは、プロ用映像機器業界のコンテンツクリエイターやメーカーにとって新たな挑戦になるのですが。」

ポジショナルオーディオも、真の没入型体験をするためには欠かせない機能だ。この機能によって、視聴者は仮想環境の中を動きまわり、どちらを向いても視界に適切な音が聴こえるようになる。

VRは多くの業界にセンセーションを巻き起こし、今後何年間も急成長が期待されている。しかしまだ、いくつかの克服すべき問題に直面している。消費者が3Dグラスを着けることに抵抗や不快感を持ったこと。特にテレビを観るという社会的経験がなくなったことでヘッドセットの利用が一般的になったものの、ミレニアル世代の視聴習慣の変化がこの枠組みを変えられるかどうか疑問を持つ人もいる。

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