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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.1132016年5月31日

世界のヘッドフォン市場、2015年の11%の価格上昇受け112億ドル相当に

Futuresource Consulting社の最新調査で、世界のヘッドフォン市場が2015年の1年間、量、価格の順調な伸びを続けたことが判明した。出荷量は7%増で3億3130万ユニットに、小売価格は何と19%も急増し112億ドルに達した。ヘッドフォン1点あたりの平均購入価格は、2015年に11%伸び、34ドルとなった。

「ヘッドフォンの平均価格の上昇は、追加機能に対する消費者の欲求が高まったことが主な原因」とFuturesource Consulting社調査アナリストのZlata Jelisejeva氏はコメントしている。「たとえば、スポーツ活動やフィットネス活動をしている最中にヘッドフォンを使用する人が増え、そのような消費者はそのような用途を考慮して設計されたモデルを購入するようになっている。このトレンドは北米と西欧で特に顕著だが、健康状態のトラッキング機能を装備したヘッドフォンは、消費者が身体に装着するタイプの専用代替デバイスを志向しているため、まだ流行の兆しはない」

ワイヤレスヘッドフォンは、もう1つの主要成長分野で、2015年にはボリュームベースで2倍の成長を遂げ、市場全体の14%を占めるまでとなった。このほか、インラインマイクなどの機能が標準装備されるようになった。ノイズキャンセラー機能は、高級ワイヤレスヘッドフォンに内蔵されたことから、2015年に再度顕著な伸びを示した。

これらの追加機能が装備された結果、25ドル~49ドルの価格帯のヘッドフォン売り上げが55%も成長した。その一方で、25ドル未満の価格帯の売り上げは実際のところ1%減少した。

Sony、Beats、JVC、Appleなどのブランドリーダーは、どの企業も2015年は好調だった。ただし、多様な競争が依然として幅広い価格帯で見られ、Beats社とBose社は、ともに最高級品帯で非常に強く、市場全体の収益の40%をはじき出している。

この調査によれば、北米と西欧の主要市場では、今後、製品の飽和によって需要がかげる一方、アフリカやアジアの新興市場では、スマートフォン所有者という巨大な消費者基盤を取り込み、予測対象である2020年までの期間に成長が加速する模様である。