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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.1302017年1月31日

世界のCE(消費者向け家電)売上、2016年は再び成長

英国市場調査会社Futuresource Consultingによれば、CE市場の売上は2015年に「急増」した後、2016年も成長を続けたと発表。しかし、成長率は1.2%と緩やかだった(金額は6,800億ドル)。これは、「新興」市場が低迷したほか、モバイルの収入が減速し、小型スクリーンテレビやカメラといったカテゴリーがコンバージェンスの動きにより抑えられたためである。世界経済が再び後退するという昨今の脅威を含めていくつか課題はあるものの、イノベーションの盛んな分野がCEの成長を加速させている。それにはVRやARのほか、コネクテッドカー、音声アシスタント、スマートホーム、さらにはテレビやPCの安定が含まれる。

CE売上の5分の1を占める、テレビ、オーディオ、ビデオ機器等の「伝統的な」カテゴリーは昨年、テレビ販売の復調のほか、無線スピーカー、ヘッドフォン、デジタルメディアアダプター(Amazon Fireのテレビスティック、Roku、Apple TVなど)の成長が続いたほか、セットトップボックスやブルーレイ/DVD機器の落ち込みを相殺したことで、全体的に安定して推移した。

世界のCE市場の過半数を占める新興市場は2014年以降、深刻な低迷が続いている。それは、ロシア、ブラジル、そして最近ではアフリカ最大の経済大国であるナイジェリアといった重要な地域ハブ国の景気低迷が影響している。原油価格の低下や中東情勢の不安定のほか、ロシアへの経済制裁や、最近ではブレグジット(英国のEU離脱)を要因とする通貨変動も、価格圧力や需要低迷に影響している。世界のCE需要の21%を占める北米は堅調さが続いているが、それは、経済的な豊かさや新しいテクノロジーに対する貪欲な需要によるものだ。

会社間の競争についてみると、2015年度はAppleとHuaweiが躍進したが、2016年はAppleが横ばいで推移した。他方、低成長の市場環境の中で、別のCEブランド企業は、成長や収益性をもたらす機会の発見に引き続き苦労している。CE製造への参入障壁は引き続き低下したため、間接費の少ない新規参入者は、利用可能なSoC (チップ上のシステム)テクノロジーや中国の提携メーカーを活用して市場シェアを侵食することが可能となっている。インターネットの巨人企業は、ますますCEハードウェアと競合するようになった。特にAmazonは第3四半期、米国において大人気のEchoのおかげでホームオーディオ売上の16%を稼いだ。

消費者家電の今後5年間の年平均成長率(CAGR)は1%を予想している。世界経済が安定的に推移するとの前提で、市場規模は2021年までに7,100億ドルに達するとみている。

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