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※『フューチャーソース・コンサルティング (Futuresource Consulting Ltd)

Vol.562014年2月7日

家庭のテレビを中心とした接続機器が今や10億台に。

Futuresource Consultingの最新の調査によると、テレビを中心とした接続機器の台数は世界的なインストールベースで見た場合、2013年に10億台を突破し、2017年には20億台を超えるものと見られる。その主な要因は、スマートテレビやIP対応セットトップボックス、ゲームコンソール、ブルーレイプレーヤー、低コストのデジタルメディア変換器の普及だ。

Futuresource Consultingで上級市場アナリストを務めるJack Wetherill氏は次のように語る。「テレビ販売は従来のAV家電市場の取引額の70%を占めています。スマート機能と接続性はその技術革新の流れの中でも最新のもので、産業を維持し、買い換え需要を盛り上げ、消費者を次の大きなものへとアップグレードする気持ちにさせています。2013年に全世界で出荷された2.25億台のテレビの内、44%がスマート機能を提供しており、消費者は今では高級モデルだけでなく中級モデルにもこれらの機能強化を期待するようになっています。2017年までには、全世界で販売されるすべてのテレビの80%以上がオンライン接続とスマート機能搭載のものになるでしょう。その結果、アプリケーションもまた、メーカーが独自機能やコンテンツで他製品との差別化を図るチャンスとなります。」

3年前にはスマートテレビを所有する人々で実際にインターネットに接続するのは、30%未満だった。それが今日では、平均で68%に上昇しており、米国は接続率79%と最先端を行っている。Futuresourceが小売店で行なった調査によれば、消費者が魅力を感じるのはジェスチャーコントロールや顔認識のようなスマート機能で、長期的に見ればネットワークアプリケーションでの利用につながる可能性があるものだ。

Wetherill氏はこう語る。「固定およびモバイルブロードバンドの速度と容量が共に進化し続けていく中で、巨大なIP機器ベースにオンデマンドで届けることが可能で、通常放送に近いか同じ品質でコンテンツをサイマル放送することが可能な新たな選択肢としてのサービスレベル インフラが創造されつつあります。テレビを中心とした機器とモバイルマルチメディアIP機器は共にオンラインコンテンツ配信の成長を促進しますが、消費者が気に入っているのはセカンドスクリーンのプライベートな性格であり、タブレットがマルチプラットフォームの消費をまったく新しいレベルに高めることは明らかです。

しかし、OTT (ネット配信動画) と接続機器の台頭にもかかわらず、セットトップボックス (STB) 市場は、新世代のDVR (デジタルビデオ録画) 機能を統合するEPG (電子番組表) 主導プラットフォームに支えられ堅調です。新世代のプラットフォームでは、放送、ケーブル、IPネットワークによってタイムシフトや番組の発見、ナビゲーション、コンテンツへのオンデマンドアクセスを実現し、消費者にシームレスな体験を提供しています。STBの出荷台数は依然として高く、2013年に220万台を出荷しており、大半をペイTV事業者が占めています。ペイTV事業者は先進的なユーザーインターフェースを介してIPサービスと放送コンテンツ、オンデマンド機能を統合するための品質向上に努めています。」

Wetherill氏はこう続ける。「ゲームコンソールは現在、MicrosoftとSonyの両社がネットワーク接続されたユーザーへの付加価値としてエンターテイメントコンテンツとサービスパートナーシップを構築しており、最も人気のあるテレビを中心としたメディアプレーヤーソリューションとして先行しています。最近リリースされたXbox OneとPlayStation 4によって、ゲームコンソールは2013年に世界で3,100万台と大量に普及し、新しいサイクルに入りましたが、市場全体では2015年から先は徐々に縮小していくものと見られています。

そしてこれらすべてと並行する形で、タブレットとスマートフォンが広く普及し、新たな閲覧プラットフォームとしてPCに取って代わるようになるにつれ、個人用マルチメディア機器の所有数は2013年の28億台から激増し2017年には44億台に達する勢いです。」

CES 2014 - 注目点

最近行なわれた見本市CES 2014では急成長する「モノのインターネット」のトレンドが紹介された。「モノのインターネット」とは、主要な家電製品のカテゴリーだけでなく、一般家電製品、ホームセキュリティーシステム、健康情報記録器、腕時計など、すべての電化製品にインターネット接続を行き渡らせるということだ。

「従来の家電」のワイヤレスおよびインターネット接続は、スマートテレビやホームビデオ機器に先導される形で、そして逆にオーディオ機器や撮影機器には追随される形で、多くの家電カテゴリーにおいて速やかに標準的機能になりつつある。オーディオの分野では、SpotifyやPandoraなどのストリーミングサービスが成長の再生段階にあるオーディオ市場を牽引している。タッチスクリーンとモバイルオペレーティングシステムを備えた完全な「スマート」機器は今のところSamsungのGalaxyなどのカメラに限られている中、カメラやビデオカメラの分野ではWi-Fiが標準になりつつある。

テレビのインターネット接続と「スマート」なユーザーインターフェースがすでに中位から高位品にかけて標準となっている中、CES 2014に出品したメーカーが宣伝したのは、消費者がスマートテレビから利用可能になった膨大でますます広がっていくオンデマンドや連続視聴 (リニア) コンテンツを見つけ出しやすいようにデザインされたユーザーインターフェースの向上についてだった。

CES 2014において、接続性は主要家電製品カテゴリーを超えて、冷蔵庫やオーブン、煙警報器、サーモスタット、活動モニター、スマート腕時計、アイウェア (保護眼鏡) へと広がった。低消費電力、低コストのワイヤレス技術によって新しいタイプの低コスト接続機器の開発が容易になっている。

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