(テクノロジーの新時代)
まずは審査員を代表して、この展示会へお招きいただいたことに感謝したい。CEATECは常に私たちにハイテク業界の、注目せずにいられない深い本質を魅せてくれる。
今年のCEATECは過去とはかなり違うものとなった。いままでは、各メーカーがどこよりも大きいディスプレイをこぞって競うなど、家電製品が主役を担っていた。今回もテレビや8K技術はお目見えしたが、今年のショーの主役は、コンポーネント用のディスプレイ、ビッグデータ・アプリケーション、ロボット技術などであった。
この変化にはさまざまな背景が考えられるが、もっとも重要なのはおそらくInternet of things (IoT)の出現なのではないだろうか。我々は、想像できる製品のほとんどに知能が埋め込まれていく、そんな時代に突入しはじめた。それは例えば、家電製品が電力・ガスといったユーティリティとやりとりをして節約したり、ソフトウェアやセンサーがお年寄りの様子を見守るために使われる、というようなことが実現化されていく。
これは新しいマーケットのはじまりだ。
そして、テクノロジー市場はどのようにはじまるのか。それはいつもシリコンからスタートする。より小さく、省エネで、特異な環境の中でも働き続けることができるような新しいコンポーネントが必要となる。たとえばTDKは、超小型のインダクティブ・チャージャーを展示している。多くのウェアラブルはコネクタ端子は搭載しないので、こういった技術が必須になる。
同様に、これらのデバイスは全く異なるさまざまな情報源からデータを取り出したり、人が関わることなく代わりに行動を起こし処理することができるソフトが必要だ。
ある意味では、この変遷は多くの日本企業に力を与える役割を果たす。厳しく綿密なプロセス技術と研究開発は、常に日本のハイテク業界の中心に存在しているからである。
私たちは新しい技術の時代へ突入しはじめた。
そして今年、私たちはその第1章を見た。
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