CEATEC AWARD 2020
オープン部門賞
グランプリ
IoTネットワーク社会を支えるコインサイズの振動発電器
(Coin-Size Vibrational Energy Harvester for IoT Network Society)
技術研究組合NMEMS技術研究機構
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)(出展エリア:General Exhibit Area)
製品・案件概要
IoT社会の実現には、大量の小さな無線センサがインターネットにつながる必要があります。しかし電池が切れたり、充電がなくなったりしては使えません。そこで私たちは電池の代わりに「身の回りにあるわずかな振動を電気エネルギーに変換する小さな発電器」を作りました。スマホに入っているセンサやマイクを作る技術と、新たに開発した発電技術を掛け合わせて、世界最高峰のエネルギー回収効率の小型発電器が完成しました。
選評
少子高齢会にともない、熟練した点検作業者数も減少しており、社会インフラ点検作業の自動化が早急に求められている。装置設備の点検エキスパートの五感に代わるセンサを用いた日常点検の自動化など、製造業の工場現場でも求められており、新型コロナ・水害・台風に対するレジリエンスを高めて、ニューノーマル時代の生産性維持・向上が求められている。まずは知識集約的産業の基盤となる信頼性の高いデータの収集が必要不可欠で、そのデータの入り口としての大量のIoT無線センサが求められており、実用的な「エナジーハーベスタ」需要に応える技術として期待できる。また将来的には、ウェアラブルでの利用なども期待できる点も評価された。
準グランプリ
非振動型広帯域超音波発生デバイス
(Wideband Ultrasonic Transducer)
株式会社村田製作所(出展エリア:General Exhibit Area)
製品・案件概要
これから民生用や業務用機器として自律走行車やドローンなどのロボットが普及期を迎えます。これらの用途を始め、今後非接触で正確な周囲検知が必要なシーンが増えていきます。本デバイスは通常のスピーカーと異なり熱により音波を発生させることで、残響が少なく広帯域な音波を発生できます。信号処理との組合せにより、高精度位置検知、材質検知、近距離検知などが可能であり、より便利な世の中に貢献することができます。
選評
イメージセンサとして、暗闇でのセンシング、透明体の検知、プライバシーの確保なども可能なほか、ミリ波レーダーの苦手とする小さい物体の検知や段ボールなどの反射率の低い物体の検知が可能。その他にもさまざまなセンサが存在するなか、苦手な部分を補完することで更に高度なセンシングが可能で、今後、多様な用途の開発が期待できる。ニューノーマル社会に向けた非接触のユーザーインターフェースや心拍などのバイタルサイン検知など、これからの新しい世の中を作る技術としての社会への貢献性が評価された。
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