CEATEC AWARD 2020
ニューノーマル時代のデジタルまちづくり部門賞
グランプリ
ピエゾ環境発電によるホイール完結型センシング
(InWheelSenseTM)
TDK株式会社(出展エリア:Themed Exhibit Area -New Normal-)
製品・案件概要
自動車用タイヤ・ホイール向けエナジーハーベストモジュールによる発電。およびセンシングソリューションであり、タイヤ・ホイール内で完結した電力の確保と情報取得を実現します。発電にはピエゾ素子の圧電効果を利用しており、タイヤが路面接地時に受ける反力を利用して発電を行います。また、その出力特性からさまざまな走行状態の検出も可能であり、タイヤ・ホイール内での電力供給とセンシングを両立します。
選評
自動運転社会における新たなデータの取得も可能となり、安全性と快適性の確保に役立てることができる。車載部品として既に市場実績のあるピエゾ素子の応用であり、経済性の高いセンシングソリューションでタイヤのインテリジェント化に貢献すると期待される。また、回転するタイヤ・ホイール内でのセンシング、信号処理、無線データ通信に必要な電力確保ができるため、従来の空気圧検知、摩耗検知や路面状態の検知など多くの応用が期待され、環境適合性の高いタイヤ・ホイールのIoT化を実現する。圧縮応力による走行時の安定は、発電・センシング対象事象の拡大への期待も高く評価された。
準グランプリ
IoT時代の白物家電の待機電力極小化に貢献する、業界初のゼロクロス検知IC「BM1ZxxxFJ シリーズ」
(The Industry’s First Zero Cross Detection ICs "BM1ZxxxFJ series" Contributes to minimizing standby power in IoT home appliances)
ローム株式会社(出展エリア:General Exhibit Area)
製品・案件概要
近年のIoT化加速に伴い、待機時もWi-Fi等で通信を行う常時通電の家電が増えている。一方、消費電力はますます削減を求められており、革新的な改善が必要である。ロームは、常時通電の家電において搭載必須にも関わらず、どのメーカーも見逃していたゼロクロス検知回路に着目し、「ゼロクロス検知IC」を開発。ゼロクロス検知に関わる消費電力を従来比で98%も削減し、IoT家電の消費電力削減に大きく貢献する。
選評
待機電力の規制は今後、EUなど各国で厳しくなる見込みであり、メーカーにおいても待機電力の改善は急務である。同時に、アプリケーション動作時においても、求められる機能は増加しているにも関わらず、消費電力の削減が求められる傾向にある。また、将来的に多くのアプリケーションに採用されれば、CO2削減量は膨大なものとなり、環境保全にも大きく貢献する。長年の開発で得た知見をもとに常識を疑い、消費電力削減とは異なるゼロクロス検知回路という未開の地に着目し、ICの開発に成功した点は高く評価される。待機電力の削減に大きな期待がかかるとともに、マイコンソフトのエンジニアや他の部品回路設計との連携も期待される。
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