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AIと画像処理などの研究成果を組み合わせてAIソリューションを提案――みずほ情報総研

カテゴリー : 特別テーマ エリア

みずほ情報総研情報通信研究部のみなさん(右端が前川氏、右から2番目が友澤氏、左端が永田氏)

 CEATEC JAPAN 2017のみずほ情報総研のブースでは、人工知能(AI)の応用の広がりを体感できる展示が見られる。AIの今後の活用を考えている各業界の企業にとって、「こんなところにも最先端のAIが使えるんだ」といった気づきがある展示となる。

 みずほ情報総研の情報通信研究部では、「様々な企業や団体からの受託研究と並んで、独自技術の研究開発に力を入れています。今回のCEATECの出展は、AIを中心とした独自技術の研究成果をアピールしていきます」(同社 情報通信研究部次長の前川秀正氏)。ブースのメイン展示はAIの新しい応用の道を開く可能性がある「カップリング学習」のデモだ。その他、AI-OCRや半導体ウェハー検出システムの紹介を行う。いずれもAIを実用化する際の応用範囲や適用範囲を広げるソリューションの提案である。

■少ない教師データで高精度のAI学習

超解像にカップリング学習を応用。正解に近い超解像結果が得られる

 カップリング学習はAIの一種で、最近話題に上ることが多いディープラーニング(深層学習)や従来の機械学習とは異なる手法で画像などのデータを高精度に処理できるようにするものだ。ディープラーニングは、学習する際のデータが多ければ多いほど、精度の高いモデルを学習できる。しかし「実際にAIを使いたいというお客さまの中には、研究者や医療分野などで教師データの量が多くないケースがあります。少ないデータで高い精度のモデルを学習できるのが、みずほ情報総研で開発したカップリング学習です」(情報通信研究部 マルチメディア技術チーム研究主幹の永田毅氏)。

 また、従来の機械学習の手法では、例えば顔画像から目や鼻、口といった特徴点を認識する場合に、1つ1つの特徴点について学習し予測をする。一方でカップリング学習では、複数の特徴点をまとめた高次元データを使って一度に学習し、その学習結果を元に予測するために、複数の画素の間で調和が取れた予測ができる。こうした特徴から、顔の特徴点認識のケースでは180枚、顔の超解像のケースでは170枚という少ない教師データで、既存の機械学習よりも精度が2倍程度高い認識や予測ができたという。

■画像処理技術と組み合わせたソリューション

カップリング学習は従来手法よりも予測誤差が少ない

 CEATECではカップリング学習の成果として、顔画像シミュレーションや医療画像処理などのデモを行う。顔画像シミュレーションの1つが、顔画像の超解像で、低い解像度の顔画像から高解像度の顔画像を予測するものだ。従来手法では肌にモザイク状のノイズが生じたりするが、カップリング学習を使うと滑らかできれいな超解像画像が得られる。体験型の面白いデモが、加齢シミュレーション。同一人物の10年にわたる顔画像を教師データとしたカップリング学習で得たモデルを使って、「今の写真から10年後のあなたの顔を予測」してくれる。

 医療画像処理でも、興味深いケースのソリューションを紹介する。手術前に撮影したCT画像から患者の体表面の3Dデータを作成し、手術中にタブレット端末のカメラで患者の身体を写すと、AR(拡張現実)によって体内のCT画像を確認できるというものだ。3Dデータを元にして様々な角度から見た患者の形状をカップリング学習で学習し、カメラ画像に対応したCT画像を表示させる。

 カップリング学習は、学習時に使う予測元のデータと正解のデータの双方を、結合した状態で主成分分析を行う。結合して学習することからカップリング学習と呼んでいる。さらに、みずほ情報総研が蓄積してきた画像処理技術などと組み合わせることで、学習や予測、認識を行う際の画像を最適に前処理し、認識や予測の精度を高めることに成功している。「AI技術に長けたベンチャーなども世の中には多いが、周辺技術と組み合わせて実用的なソリューションを提供できる点が当社の強みだと思います」と永田氏はアピールする。

■OCRやモノの検出など多方面にAI技術を展開

AI-OCRでかすれた文字や記入枠を含めた書類を認識

 カップリング学習以外では、「AI-OCR」「半導体ウェハー検出システム」のパネル展示を行う。「AI-OCRは深層学習を活用した文字認識ソリューションで、自治体や企業などが手書き文字の書類からデータエントリーをする作業を効率化できます。かすれた文字などでも高精度に認識できるほか、帳票の枠を自動認識することで同種の帳票でフォーマットが異なるようなケースでも帳票を個別に設定することなくAI-OCRで認識が可能になります」(情報通信研究部 マルチメディア技術チーム チーフコンサルタントの友澤弘充氏)。

 半導体ウェハー検出システムは、半導体製造装置にセットする際のウェハーの状態を、画像処理技術を使って検出するもの。従来の光学式や接触式の検出システムに比べて、カメラを設置するだけの非接触なシステムでウェハーの枚数や状態を容易に確認できるという。

 「みずほ情報総研では独自技術だけでなく最新の論文から得た技術などを組み合わせ、技術提案ができます。AIを使ってみたいけれど、どうしたら良いのかわからないような方々に、課題から最適な方法を見つけ出すお手伝いができると思います。CEATECの場を使って様々な業界の方々とコミュニケーションして、業界の課題解決やビジネスのアイデアの具体化を一緒に進めていけると嬉しいです」(前川氏)とCEATECに期待を寄せる。

みずほ情報総研(株)
展示エリア
特別テーマエリア
小間番号
S40-05
URL
https://www.mizuho-ir.co.jp/
出展者詳細
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=10049

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