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KOA 風の分布や動きを可視化・データ化する最新技術Windgraphy(ウィンドグラフィー)をデモ センサーの基盤技術をベースに新たな共創の出会いを探る

カテゴリー : デバイス・ソフトウェア エリア

 KOAは、電子部品の開発・製造・測定・実装など、高度で幅広い基盤技術を持つメーカー。今年は昨年出展した「風の見える化」の技術をさらに進化させ、立体形状での表示や、VR空間で風を視角化するなど、パートナー会社による作品も含め新たな演出を提案する。KOAでは、風の分布や動きを見える化・データ化する技術を新たに「Wndgraphy」と名付け、さまざまな表示手段での活用を提案している。デジタルサイネージなどでの利用を想定した「風の見える化パネル」(LED自発光版とプロジェクター版)も出展する。

■高度な基盤技術をベースに新規事業開拓

昨年のデモでは、浴衣姿のコンパニオンが団扇で扇いで風を発生させ、その強さと方向・分布をリアルタイムに見せるという風流なデモが行われた

 昨年出展の『風の見える化』は、パネル上のセンサー位置にプロジェクターにて風車を投影して、風を検知したセンサーの風車が動いたり、風の強さで色が変わるという視覚的な演出により大きな注目を集めた。新事業開発グループ プロフィットマネージャーの坪木光男氏は昨年の出展効果について次のように話す。

 「エンターテインメント系企業から使って見たいという話があり、それが今年のデモにつながっている。KOAが想定していなかった業界からの引き合いや新しい使い方のビジネスの話が出てきている」
 今年は新たに、立体的な表現や、風の動きをVR空間で視角化するといった表現手法も提案する。さらに、超高精度の傾斜センサーやEV(電気自動車)での需要が期待されるシャント抵抗器などの新製品を展示しCEATECでの新たな共創パートナーとの出会いに期待を寄せる。

■基盤技術で市場、顧客に新たな価値を提案

 KOAには、「KPS」(KOA Profit System)と呼ぶ経営改善活動がある。これは、89年から全社で取り組んでいるもので、現場の改善活動として立ち上げた社内活動をさらに進化させ、経営改善活動に発展させたもの。これまでKPS-1、KPS-2と段階を経て、現在、KPS-3と呼ぶステージに取り組んでいる。「将来のイノベーションに向けてKOAの基盤技術を活用して、市場、顧客に新たな価値を提案するビジネスモデルを創出する」ことに注力するものだ。

 CEATECへの出展は、この「KPS-3の一環」だと坪木氏はいう。
 「CEATECでの出展は、お客様と新たな共創関係を探りながら新たな製品・市場への挑戦をしていくことの事例を作っていこうという位置付け。CEATECという場で社外に向けて、さまざまな基盤技術を持つKOAと組むとこんなおもしろいものができるということをアピールしていきたい。新しい技術は、どこの業界に受け入れられるかわらかないところからスタートする。シーズ(種)からはじまっているので、広くアピールすることが必要だと考えている。そういう意味でCEATECは幅広い業界の方が集まる貴重な場」(坪木氏)

■風の見える化技術 Windgraphy

温度センサーを複数並べることで、風として視角化するという新たな発想。幅広い用途での活用が期待される

 Windgraphyは、 風の動きを可視化する技術の名前。風の動きや強さを感じるセンサー部分には自社の温度センサーを用いている。この風センサーは、熱線式で発熱させたセンサ部が風によって温度が奪われることによる電流変化を感知して風速信号として出力している。これをパネルに等間隔に432個配置することで、平面上の風速をリアルタイムでとらえ、風の動きや強さとして示している。センサー一個一個の変化を視角化することで、風の向きや量が見えるというしくみだ。

■VRやクリエイターによる作品も体験

 ブースでは、LUCENT DESGINなどいくつかのクリエイターが風センサーを用いた作品を出展するほか、KOAとして新たな表現を提案する。昨年まで風車だったパネルの映像に加えて、水中に魚が泳いでいるようなCG映像を表示する。水面を仰ぐと水面が揺れ、魚が逃げるような映像などいくつかのコンテンツを準備している。

 また、VRのコンテンツ開発会社から、VR空間内でシャボン玉が風にゆれるといったデモも予定しているという。VR開発ツールの主流でもあるUNITYにデータを取り込めるようなツールをKOAが提供している。「VR作品については、多くの人が関心を持っている。リアルな風をバーチャルで視角化するという、リアルとバーチャルが融合した体験ができる」(坪木氏)

■デジタルサイネージ向け「風の見える化パネル」を提案

新事業開発グループ プロフィットマネージャーの坪木光男氏。「Wndgraphyは、パネルの有償貸し出しをするので、使ってもらった感想を聞きたい」と話す

 今回の展示では、展示したパネルを事業としてどう成長させるかを試す場として位置づけている。出展する「風の見える化パネル」は、LED自発光版とプロジェクター版の2種類。サイズは大小2種類(大:たて1350mm×よこ1800mm、小:たて675mm、よこ99mm)。
 「センサーの大きさ、試作品は3cm四方ぐらい。これも要望にあわせて変えられる。今回の出展の反応を見て、どこまでをビジネスの範囲にするか、コンテンツ、モジュール、ユニット、センサー、いろいろ、活動の中で決めていく。パネルの有償貸し出しをするので、使ってもらった感想を聞きたい」(坪木氏)
 風車や風船、ハート型などを表示するアプリケーションのほか、風速値表示など、簡単なカスタマイズもできるコンテンツが提供される。

■新提案、超高精度傾斜センサーやEV向け電流検出素子も

今年は、貸し出し対応できるプロジェクターとLEDパネルを出展する予定。画面はシステム構成図

 今回の出展では、前述のWindgraphyに加え、新たに共創の出会いを探ろうとしているいくつかのセンサーがある。新たな提案として、昨年も出展した傾斜センサーをデモする。こちらも、新たな用途の開拓・調査がねらいだ。MEMSを使った1/1000度の超高精度のセンサーで、スカイツリーの先端が1センチ傾いた角度を計測できるという。また、大容量の電流を検出する素子、シャント抵抗器を出展する。欧州や中国のガソリン自動車規制の方針発表でにわかに注目を集めているEV(電気自動車)におけるバッテリーマネジメントやモータ駆動回路で重要な役割を担う。

 「傾斜センサーは製品企画の過程にあり、事業化を決める前の段階にあるという。CEATECへの出展で必要とされるか、価値があるかを確認する。結果、ビジネスの見通しがなければやめる可能性もある。いろいろまだあたためている製品もあるので、興味のある方はぜひ、ブースに立ち寄って、声をかけてもらいたい」(坪木氏)

KOA(株)
展示エリア
デバイス・ソフトウェアエリア
小間番号
D352
URL
http://www.koaglobal.com/
出展者詳細
http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=9628

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