2014年に発表になったリサウンド・リンクス²(スクエア)はiPhone、iPad、iPod touchと直接つながる。今回出展する新製品リサウンド・リンクス3Dでは、さらにクラウドからプログラムをダウンロードするなど高機能化している
デンマークに本拠を置くGNヒアリングは、インテリジェントオーディオソリューションの世界的リーダー企業GNグループの医療機器部門として、高精度で小型の補聴器を開発・製造する。
GNヒアリングは昨年のCEATEC JAPANに出展し、CEATEC AWARDを受賞している。iPhone、iPad、iPod touchと直接つながる補聴器「リサウンド・リンクス²(スクエア)」を出展。これは、2014年に米アップル社と共同開発した製品で、独自のワイヤレス通信により、通話、音楽や映像のストリーミング音声などを直接補聴器から聞けるものだ。電話音声を直接補聴器で聞けるため、ハウリングなどの問題も解消された。両耳の補聴器間で通信(両耳間通信)をして、音の方向性が保持されるように調整している。
6月に発表した新製品のリサウンド・リンクス3Dは、従来のリサウンド・リンクス²に新たに遠隔サポート機能を付加した製品。外見は同じだが、内部性能を刷新し、第3世代の両耳連動指向性の搭載で音質を向上、そして第5世代となるワイヤレス技術を搭載し、クラウドと接続して機器データをやりとりしたり、最適なプログラムをダウンロードするなど、まさにIoT機器としての機能を備えるウェアラブルデバイスだ。
BluetoothによってiPhoneやandroidなどのスマートフォンと連携することで、リモートで調整ができる。新たな機能としてアプリを用いたコミュニケーションで、従来販売店や病院で実施していたメンテナンスもリモートでできる遠隔サポート機能が新たに加わった。ブースでは、リサウンド・リンクス3Dの実物展示や試聴体験、また新たな遠隔サポート機能についてビデオやパネルで紹介する。
■クラウドを用いて機器を最適化
新製品のリサウンド・リンクス3Dとアプリケーションの画面例。高齢者でもわかりやすいよう、とても見やすく使いやすいGUIになっている
リサウンド・リンクス3Dの遠隔サポート機能は、利用者が自宅にいながらアプリを用いて、アンケート形式の質問に答える形で販売店との間で”聞こえ”の調整をするものだ。 フィッティングという作業で、利用者の好みや環境などから最適なプログラムに変更する。アンケートの回答と同時に、補聴器から使用履歴やセッティングのデータも入手するため、機器の使用状況や設定などを確認しながら分析できる。
環境毎に、特定の環境にあわせた音量の設定や指向性の幅などの調整も可能。雑音抑制機能、会話重視機能など状況にあわせたプリセットも用意されている。
これらのサービスにはクラウドを使用しており、クラウドから新しい音質の設定が届くようになっている。アンケートの回答や機器の状況に問題があれば店舗で対面による調整が必要な場合もある。
いわゆる店舗だけでなく、補聴器外来などでのサポートもあるが、患者が集中している場合は、何時間も待つことがある。仕事や学校がある利用者の場合や、店舗が遠隔地にある場合は大きな負担となる。
■CEATECは重要な顧客接点の場
GNヒアリングジャパンのマーケティング部マネージャー 野口日登美氏。「CEATEC会場で試聴して、リサウンド・リンクス3Dの働きやつけ心地を体験してもらいたい」と話す
GNヒアリングジャパンのマーケティング部マネージャー 野口日登美氏はCEATEC出展のねらいの一つとして、 メーカーとしての顧客接点の場としての位置付けをあげる。「働き盛りの企業人にも、自らの”聞こえ”に関心を持つ人が多いことがわかった」(野口氏)という。
「GNヒアリングは、常に装用者にとって聞き取りやすく、快適に装用できる補聴器の提供に努めています。そのために、利用者からのフィードバックを非常に重視しており、随時機能の改善を進めています。しかし、メーカーという立場から、普段はどうしてもエンドユーザーからフィードバックを得ることが少ないため、とてもいい機会となりました。思った以上に多くの若年層や中年層の働き盛りの方々から相談をいただくことができ、ブースは常時満杯の状態でした」
「CEATECはテクノロジーを理解している人が多い。今の補聴器がこれだけ便利だと知ってもらいたい。 家族の方についてのご相談もお聞きしたいと思います 。ぜひ試聴して、リサウンド・リンクス3Dの働きやつけ心地を体験してもらいたい」(野口氏)
■超小型IoTウェアラブルデバイス技術で新たな共創も
GNヒアリングはまた、IoTのウェアラブルデバイスのデザイン、開発会社として、アップルとの協同開発の経験も持つことから、「CEATECで、幅広く協業・共創の可能性を探りたい」と話す。「超小型のウェアラブルデバイスという観点から、昨年はワイヤレス技術に関心が集まりました。 例えば、同時通訳のアプリとつなげれば、自然なコミュニケーションのためのデバイスとして使えるかもしれない。iPhoneとつながるようになったのも、アップルがiPhoneのアクセシビリティ設定でヒアリングデバイスに補聴器モードをつくったことから始まっています。ブースで声をかけてもらうことでそうした新たな共創のきっかけになることを期待しています」(野口氏)
GNヒアリングジャパン(株)
- 展示エリア
- 家・ライフスタイル エリア
- 小間番号
- H069
- URL
- http://www.resound.com/
- 出展者詳細
- http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=9598