カシオ計算機は、 特殊なシートにバンプ(細かい凹凸)を表現できるプリントシステムを開発。「CASIO 2.5Dプリントシステム」と呼び、布や革、石などの細やかな表面形状を高速かつ低コストで表現する新たなシステムとして商品化した。布や革などの「質感」をデータ化することで、アーカイブとして効率的に活用できる。
■カシオ独自のフォーマーと新素材シートで素材感を表現
CASIO 2.5Dプリントシステムは、パソコンで生成しバンプデータをもとに、特殊ジェットプリンタ「Mofrel」で素材の質感や触感を、繊細な凹凸で表現できる新素材「デジタルシート」に出力する。CADを使わず、Photoshop等にオリジナルソフトをアドインすることで、細やかな凹凸を平面メディア上に表現が可能。出力時間は5~9分程度という。
ブースでは、2.5Dプリントシステムの開発者がMCとの会話スタイルで「電磁波造形技術」の開発についての説明をするほか、実際の出力デモを披露する。
■A4サイズを5-9分でプリントアウト
「2.5次元設計」によるバンプの形成技術には、「世界初の電磁波造形技術」を採用している。これは電磁波の照射で、印刷されたカーボン分子を振動させ、その振動熱をマイクロパウダーに伝道させ、バルーン化させてバンプさせる。この時、カーボン分子量で、その熱量を制御し、バンプの高さを規定する。
木、布、石、革などさまざまなマテリアル・モチーフが持つ繊細な凹凸や色合いを、A4サイズの場合、通常、約5分から9分という短時間にプリントアウトできる。シートの基材には、紙ベースのほか、PETベース仕様もある。
■データを用いたバリエーション化容易に
データをもとにプリントアウトできるため、従来のような金型などが必要なく、コスト的にも大きなメリットがある。デジタルシートの出力に使用したデータは、資産としてアーカイブ化。色や素材などが一元化されたデータは、再生産やカラーバリエーションの改定・作成など、作業の効率化を高める効果もある。
実際、開発・試作の超スピード化という点で、従来の50倍以上、開発費の劇的削減では、1/50以下の効果があるという。
想定している利用範囲は幅広い。自動車、建築、ファッションにとどまらず、 多様な設計・工業デザイン(ゼロ次試作など)での導入を目指している。
カシオ計算機(株)
- 展示エリア
- 家・ライフスタイル エリア
- 小間番号
- S10-44
- URL
- http://www.casio.jp/
- 出展者詳細
- http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=10051