背景画像に前景(人や鞄など)の輪郭線を重ね合わせた「透け撮るん SKETOLN」映像
センサーデバイスやパワーマネージメント系LSI、オーディオ・ビデオ系LSIなどの各種LSIを開発している旭化成エレクトロニクスは、10月3日から10月6日まで幕張メッセで開催するCEATEC JAPAN 2017で、旭化成が開発したカメラに映る人の姿を輪郭線化する「透明人間テクノロジー」を利用したプライバシーに配慮した画像配信サービス「透け撮るん SKETOLN」を参考出展する。
「透け撮るん SKETOLN」は、インターネットに接続されたカメラを用い、予め用意した施設の背景画像に前景(人や鞄など)の輪郭線を重ね合わせた画像(リアルタイム動画)を、施設の外からスマートフォンで閲覧させるサービス。
ブースでは、ウェブカメラで取得した画像の前景だけをリアルタイムで輪郭線化し、あたかも透明人間になったかのような画像をスマホのブラウザで閲覧、離れて暮らす家族の様子、スーパーのレジの行列やカフェの空席など離れた場所の「今」、「施設の混雑状況」をどこからでも手軽にスマホで見ることができるデモを実施する。
■ライブカメラのプライバシー保護への対応
旭化成株式会社融合ソリューション研究所応用技術開発部シニア・テクノロジー・アーキテクトの岡本明浩氏は、「透け撮るん SKETOLN」の特徴について、次のように話す。
従来、街中などにある防犯カメラなどのライブカメラの映像は、”暮らしを安全に、便利にする目的”に使われるなら”撮られてもいいか”と思うかもしれない。しかし、人によっては”プライバシーが侵害された”と感じるかもしれない。カメラに映る人の姿を輪郭線化し、予め用意した施設の背景画像にその輪郭線画像を重ね合わせたリアルタイム動画を配信することでプライバシーの保護になるというねらいだ。
岡本氏はまた「CEATECの出展で、映像の輪郭線化がプライバシーの保護に有効であるということが、世間に受け入れられるかどうか調査したい」と話す。さらに「我々が考えている用途以外のアイディアについても、ヒアリングをしていき、新たな実証実験のパートナーを見つけたい」という。
■お店や施設の集客率や稼働率を上げるツール
「透け撮るん SKETOLN」は現在、実証実験の段階で、提供時期は未定という。同サービスの利用・活用イメージについては「カフェや居酒屋、ファストフード、図書館などの混雑状況をネットで配信することで、空いているお店を駅のサイネージやアプリから探したり、なじみのお店のいつもの席の只今の状況を知ることで利便性が上がる」(岡本氏)。また施設にとっても「稼働率を上げるツール」になると岡本氏は話す。「スーパーマーケットのレジや予約のできない理髪店、混み合う医院の待合室の状況を配信すれば、自宅のリビングから混み具合を確認できるため、全体の来客数を減らさずに来店ピークを緩和することが可能になる」(同)。
■ASPサービスとしての提供を想定
サービスの提供方法は「閲覧者であるエンドユーザは無料で、WEBカメラを設置する施設オーナーからは設置費用などの初期費用とサービス利用料を負担してもらうことを考えている」(岡本氏)という。「将来的には、カメラが付いているタブレットやスマートフォンが利用できれば、手軽に導入できるようになると思う」(同)。
旭化成エレクトロニクス(株)
- 展示エリア
- 家・ライフスタイル エリア
- 小間番号
- H074
- URL
- http://www.akm.com/akm/jp/
- 出展者詳細
- http://www.ceatec.com/ja/exhibitors/detail.html?id=9596