英Arm社の日本法人であるトレジャーデータ株式会社（以下Arm Treasure Data）は、パートナー企業10社とともに「2030年の豊かな暮らし」を実現するオフグリッド型コネクテッド住宅「OUTPOST（アウトポスト）」を共同出展した。
スペースがあれば、山の上でも、どこにでも置くことができ、多拠点居住にも対応した、場所を選ばず豊かな暮らしを送る住居空間として提案している。
オフグリッドでありながら、データでコネクテッド
Arm Treasure Dataは、ビッグデータの収集、統合、連携によりデータマネジメントのプラットフォームを提供。
去年８月、イギリスに本社を置き、半導体設計とIoTサービスを提供するArm社の傘下に入り、IoT社会の推進を進めている。今回展示された「OUTPOST」はコンテナハウスをイメージさせる長さ約40フィートのコンテナ型住宅。電気・ガス・水道などのライフラインからオフグリッドされているが、パートナー企業各社の技術を駆使した生活のデバイスが組み込まれている。同社のデータマネジメントのノウハウを生かし、データの上でコネクテッドする。
ブースには来場者がOUTPOSTでの生活をバーチャル空間で体験できるVRコンテンツも用意された。
水循環システム、太陽光発電と無線給電
水循環システムには、WOTA（ウォータ）株式会社の技術が活用されている。
シャンプーを洗い流した使用後の水でも汚れを分離し、シャワー２回分の水があれば１００回分再利用が可能となる。
電気は太陽光発電の活用を想定。「パワースポット」と呼ぶ無線給電を活用する。
今回のコンセプト展示では３か所用意されたパワースポットに置かれたライトを右に回すと明るく、左に回すと暗くなる様子が注目された。
専用マグを左右に回し、コーヒーの温度をコントロールすることも可能だ。
これらの操作はアプリ上で設定変更できる。
Wi-Fiの電波をセンサーとして活用する技術は、家の中の人の動きを検知しセキュリティに活用できるほか、寝ている人の胸の動きを検知することで睡眠状態を取得できる。
水道や電気の使用状況をはじめ室内環境はアプリで一元管理が可能。
これにより水フィルターを交換するタイミングも適切な時期がわかるという。
現在は研究段階のため、すぐに生活が始められるわけではない。
下水の処理をはじめ様々な課題もある。
「CEATEC 2019」の展示を通じて、OUTPOSTのコンセプトに共感し、独自技術を生かせるパートナー企業を募集していきたいとしている。
