関西発でガス機器のIoT化を進める大阪ガスが「CEATEC」に初出展した。
同社はDaigasグループとともに、ガス機器だけでなく、キッチン空間における新しい体験の実現に向けてキッチン、リビング、そしてバスで実現する、ユーザーひとりひとりにあった豊かで便利な暮らしを提案する展示を行った。
IoT対応で冷蔵庫とも連携、好みのレシピを表示する未来のキッチン
メインステージでは、IoTの普及によりキッチン、リビング、バスで実現する2030年の未来の暮らしの中のソリューションを提案した。
展示された「キッチン」では、進化した対話型AIが冷蔵庫に組み込まれ、庫内の在庫や賞味期限がわかり、足りない食材はその場で注文・決済も可能になる。
料理のつくり方も利用者にあわせ、好きなシェフのレシピを選択できるなど、ユーザーにパーソナライズされた情報を届ける。
入浴でバイタルデータ取得、2030年へさらなる進化も
バスの展示では、入浴しながらバイタルデータを取得し、その日の体調に合わせたメニューをレコメンドする未来が提案された。
同社はすでに入浴するだけで簡単に体脂肪率を計測できる「体脂肪測定機能付き給湯暖房機」を販売している。
2030年の未来の暮らしでは、体形の変化をミリ単位で計測する技術などを組み合わせ、より細かく体形の推移を記録できるシステムも実現したいとしている。
IoT対応家庭用燃料電池「エネファーム」 パートナーとの連携目指す
展示体験ゾーンでは、IoTに対応した家庭用燃料電池「エネファーム typeS」を紹介。2016年4月に発売され、販売中のエネファームは8割以上がインターネットに接続されている。同社サーバーと常時接続することで、発電状況の見守りや遠隔での故障診断サービスのほか、ユーザーの利用状況にあわせて、より使いやすい情報提供も可能だ。同社は停電時自立運転機能を搭載した製品も販売しており、停電時には、ユーザーに対し発電が行われているか遠隔で監視、適切な使用方法の情報発信などで安心・安全を提供する。
大阪ガスおよびDaigasグループは「CEATEC 2019」出展を通じて、ガス機器のプラットフォームとして、すでに実用化している同社の技術を活用し、2030年の未来の暮らしでユーザーに合ったサービスを提供するためパートナー企業との連携を図りたいとしている。
また、IoT技術を駆使したソフトの充実を図り、ユーザーとの距離を縮め、個々の利用者にあわせたサービスの提供を目指す。