フィンランド共和国・オウル市と産業振興協定を締結した仙台市が、テック系スタートアップ企業を4社紹介。オウル市企業の日本市場開拓を目指す。
フィンランドと言えば、パルプ産業が盛んな国という印象があるが、現在はICT産業が注目を浴びている。その中に、無線通信技術発祥の地と呼ばれヨーロッパのシリコンバレーと言われるほど成長したフィンランド・オウル市がある。地域人口25万人都市に約450以上ものICT企業が存在し、ICT産業・教育においては世界トップクラスを誇る街だ。
2G、3Gの通信に世界初の通話に成功したのがこのオウル市で、同市にはモバイルネットワーク研究開発で活躍するノキア社、無線通信技術研究を牽引するオウル大学がある。
5Gのプロトタイプ製作もオウル大学やノキア社、そしてVTT(フィンランド技術センター)の協力のもとに行い、世界へと発信されている。現在は6Gの開発に向けた国家プログラムもスタート。こちらはオウル大学が基礎研究部分のイニシアティブをとり、ノキア社、VTT、ビジネスオウルが協力体制を敷いている。
今回は、オウル市が100%出資し、地域の産業活性化をミッションとする産業支援機関「ビジネスオウル」が中心となって産業振興協定を結んだ仙台と共同ブースを出展し、各市の紹介や取り組み、連携事例などを紹介している。
CoreHW(フィンランド・オウル市)
CoreHWは、2013年に設立されたファブレス半導体企業であり、最先端のフルカスタムRF ICターンキーソリューション、IP、および設計サービスを開発している会社。
Bluetoothを使った室内用のポジショニングシステムを作っていて、ヨーロッパ諸国での実績は高く、日本での市場開拓を目指している。
Augumenta(フィンランド・オウル市)
パッと見何もないただのボード(写真1枚目)だが、スマートグラス越しに見ると、各使用者に合わせた作業画面(写真2枚目)が現れる。
同社は、スマートグラスをかけたARアプリケーションのサービス提供を行っている。今回は、インダストリー4.0に対応したスマートパネル監視制御システムを展示。
工場機械の制御および監視する方法を変え、企業や開発者あらゆるタイプのスマートグラス向けにカスタマイズされたARアプリを使い、作業効率の簡略化を実現。医療分野への応用が期待できる。
仙台市の取り組み
仙台市は、「ネクスト イノベーションを仙台から!」と、仙台・東北の若手ゲームクリエーター育成連携「Global Lab SENDAI (GLS)」はじめ、スタートアップの成長支援、新規事業の支援を行うプログラム、「TOHOKU GROWTH Accelerator」など、地域経済を牽引する起業家を応援している。
IoT.RUN(仙台市)
Adansons
Adansonsは、東北大学発のベンチャー企業。数学研究から生まれた、独自アルゴリズム“参照系AI”によるソリューションを提供している。*特許出願中
「参照系AI」は、既存のAIの問題点を解決した次世代の技術で、 従来のAIが必要としていたタグ付け、アノテーションなどを含め、欠損値の処理などの「前処理」が一切不要となる。応用領域は、製造現場などから医療現場、災害や製造現場等、画像処理、音声処理など多様。
出展者情報
https://www.businessoulu.com/
●仙台市経済局産業政策部産業振興課
http://sendai-startups.org
●CoreHW
http://www.corehw.com/
●Augumenta
http://augumenta.com/
●Iot.Run
https://iot-run.co.jp/
●Adansons
https://www.adansons.co.jp/