ソニー株式会社は6年ぶりにCEATECに復帰。メディカルサイエンスやライフサイエンスの現場を進化させるテクノロジーやプロダクトの展示を行った。
CEATECとの6年ぶりの”再会”
初日の展示を終えたソニーブースの前では、20人あまりの展示スタッフが記念撮影に集まっていた。たまたま通りかかったレポーター・Kは、「押しましょうか?」と声をかけ、赤く「α」と刻印されたデジタルカメラを受け取り、シャッターを押した。
「6年ぶりで、どうですか? 以前のことをご存知ないスタッフもいるでしょう?」と聞くと、「カメラ事業に関わっていた仲間とか、以前を知る人間も参加してますよ。(シャッターを)ありがとうございました、いい記念になります」と答えが返ってきた。CEATECから見た「ソニーの復帰」は、ソニーにとっては6年ぶりの「CEATECとの再会」でもあったのだ。この瞬間を写真で留めたいというスタッフの想いが、それを物語っているような気がした。
メディカル分野への本気度を強力にアピール
再会の場にソニーが持ち込んだのは、メディカル事業・ライフサイエンス事業で活躍する技術やシステム機器だ。独自開発の極微細なLED画素を使った、スケーラブルなLEDモニタシステム「Crystal LED ディスプレイシステム」による大画面ディスプレイを前面に配置しつつ、内部はくもり一つない白で統一された、メディカル施設やライフサイエンスの研究室を思わせる演出のブース。そこに超高精細なモニターやカメラシステム、細胞ひとつひとつを解析しハンドリングする機器、病院内に高精細動画を配信するネットワークシステムなどが展示されている。
「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」ことを存在意義とするソニーにとって、メディカル事業は「生活の安心・安全への貢献」に関わる重要な領域の一つである」と強くアピールする場となった。
次世代光ディスクの3.3TBカートリッジを”水没展示”
さまざまな展示物の中で来場者の目にはからずも“タイムリー”に映ってしまったのが、業務用次世代光ディスク規格「Archival Disc(アーカイバル・ディスク)」に対応した光ディスクカートリッジの水没展示だ。片面3層300GBの追記型ディスク11枚をまとめた、1カートリッジ3.3TB(テラバイト)のストレージが水槽内に置かれている。洪水で泥水に浸かったとしても、洗って乾燥すれば問題なくデータが読み出せるという、テープドライブやHDDにはない優位性をアピール。院外持ち出しが望ましいとは言えないデータが、医療機器の進歩でますます巨大化するなかで求められる、ストレージソリューションと言えるだろう。