OKIブースでは多岐にわたる最新テクノロジーが紹介されているが、特徴的なのはそのすべてが「社会課題の解決」にフォーカスされていることだ。
例えば労働力不足、自然災害、老朽化問題など、今まさに私たちが直面している問題の数々に対し、「リアルタイム-インテリジェンス」をテーマとしたソリューションが提案されている。
サービスロボット「AIエッジロボット」
深刻な人手不足が叫ばれる中、ますます高まるサービスロボットへの期待。しかし従来の自律動作ロボットでは、人がそばを通ると安全のために停止したままとなってしまうなど、課題が多かったという。そんな課題を一挙に解決すべく、今回OKIブースで紹介されたのが「多様な用途に高稼働率で活用が可能なロボット」をコンセプトとした『AIエッジロボット』だ。
遠隔運用コックピットから人間1人で複数のロボットを操作することが可能で、施設点検、防犯・見守り、倉庫の在庫チェック、介護施設での人手不足に大きく貢献すると注目されている。ロボット本体には360度視点の俯瞰映像モニタリングシステムが搭載され自律的に監視を行うほか、遠隔運用コックピットからもAIエッジコンピューターを活用したリアルタイム映像の視聴や問題への直接対応が可能となる。
ロボットならではの精密な監視と、人間によるきめ細かな遠隔対応を組み合わせることで、サービスロボットの新しい展開が期待できる。
新登場のAIエッジコンピューター
上記のサービスロボットに使われているのは、AI処理をより現場に近いエッジ領域で汎用的に実行させ、クラウドとの連携で実現する「AIエッジコンピューティング」。
リアルタイム性や機密性の高さからますますAIエッジコンピューティングの需要が高まる中、今月OKIからリリースされたのがAIエッジコンピューター『AE2100』だ。
『AIエッジロボット』も、この技術によりセンシングデータをAIで解析し即時にフィードバックすることができるため、リアルタイム監視が必要な現場での活用が期待される。
空飛ぶ水中測深装置「CARPHIN air(カーフィン エア)」
流麗なフォルムが印象的な「CARPHIN air(カーフィン エア)」。OKIがJR東日本と共同で実証実験を進めようとしているドローン搭載型MNB測深器だ。
MNB(マルチナロービーム)測深機は、深海調査船などの船舶に採用されている技術で、水底の地形や地層のデータを正確、かつ豊富に得ることができる。
そのMNB測深機とドローンと組み合わせた『CARPHIN air(カーフィン エア)』は、河床調査や、河川部橋脚、ダムなどの水中測量業務での活躍が想定されている。
流れの速い川の真ん中に立つ橋脚など、アクセス困難な場所にも空を飛んでたどり着き、着水して測深を行うという。自然災害への即時対応、調査の効率化に加え、操作を遠隔で行えることによる安全性の向上にも期待が高まる。
「IoTの力で社会課題を解決!」という同社のメッセージそのものを体現したかのようなOKIブース。社会が抱える不安に対し明確な回答を示す展示内容に、多くの注目が集まっている。