情報通信のパイオニアとしての各種計測事業に加え、食品・医薬品用異物検出機や重量選別機、遠隔監視制御システムなど、幅広い分野でのソリューションを提供しているアンリツ株式会社。
CEATEC 2019においては、5G時代の幕開けを牽引する技術・製品の数々を披露し、業界内外から多くの耳目を集めている。
5G時代の幕開け!老舗企業の新たなテストソリューション
アンリツブースでは、5G時代到来に先立ち、5G NR(New Radio)テストソリューションを紹介している。
特に注目を集めるのは、RF試験、プロトコル試験、ビーム検証およびビーム特性評価を1台でサポートできるプラットフォーム『ラジオ コミュニケーション テストステーション MT8000A』。擬似基地局機能を有する5Gシステム開発用テスタだ。
外部機器不要で、省スペース、低コスト、容易なセットアップという利点の数々を備え、すでに国内外の多くのキャリア、メーカー、ベンダーなどで採用されているという。
擬似基地局とは…
「擬似基地局」というとコンシューマーにとっては耳慣れない言葉であるが、実は5G端末を使うすべての人が恩恵にあずかることになる重要な機器だ。
通信用チップセットや端末の開発においては、5Gサービスの開始前に膨大な試験が必要となる。
身近な例を挙げれば、通話中にメールの受信や、アプリのアップデートが起こっても正常に動作するか…など、ありとあらゆる場面を想定して検証が行われる。
5G基地局がまだ無い状態での研究開発でも、それを可能とするのが擬似基地局機能を有した『MT8000A』などの機器だ。5Gサービス導入期においては、既存のLTE等との共用が予定されていることもあり、アンリツの世代を超えた通信技術の蓄積が生かされているという。
パートナーシップによる新たな計測ソリューションを披露
また今回のCEATEC 2019においては、グローバルパートナーシップを活用した同社の新たな計測ソリューションも発表された。展示されたのは『高性能サーモグラフィカメラ T600/T500シリーズ』。高分解能サーモグラフィカメラによって、回路基板等の熱や歪みを検知する機器だ。従来の熱測定と比べ、微小部品や意図しない箇所の発熱も見逃さず把握するという利点がある。
アンリツならではの通信計測と、パートナーとの協業による熱・振動・歪みなど「モノ」の状態の計測ソリューションをワンストップで提案できることが大きな強みとなる。また国内市場と海外パートナーを、アンリツが今日まで培ってきた信頼をもとに橋渡しするという大きな役割も担っている。
5G時代を早期に、またシームレスに迎えるために。情報通信ネットワークの進化を支え続ける老舗企業の活躍が感じられる展示となっている。