大成建設 株式会社はCEATEC 2019で、AI・IoTを活用して新たな都市像をシミュレーションできる『デジタル西新宿』プロジェクトの紹介や、触覚デバイスを搭載したロボットアームズを遠隔操作できるデモ展示を行っている。
人がいきいきと暮らす持続可能な都市を目指して
同社は「人がいきいきとする環境を創造する」ことをコンセプトに、自然と共生する持続可能な都市像を今ここにある環境で描きたいと考えている。
今回のブースにおいても、模型で再現された東京都の高層ビル街区「西新宿」にタブレットをかざすことで未来の住みやすい都市像がバーチャルイメージとして現れる仕組み『デジタル西新宿』プロジェクトを紹介している。同プロジェクトは、西新宿が抱える様々な課題(テナントビルの賃料低下、超高層ビル群の老朽化など)を解決するためのデジタルプラットフォームとして構築され、実証実験のフィールドとして活用されている。多様なシミュレーションを行うことが可能で、ビルの間を流れる風の強弱、壁や塗装の繰り返しによる熱環境の状態、さらには街区を歩く人の流れまでタブレット上に表示できる。この技術を利活用することで、課題を抱える様々な企業に向けて最適なソリューションを提案することが可能だ。
また、同社はこれからの持続可能な社会に循環する材料として「木」に着目しており、
接木するように木や緑を増やしていくことを提案している。タブレット画面上で、その効果を実際に見ることもでき、建物に木材を用いたり緑化を進めていくことで、エネルギーの損失を抑えながら快適な環境を実現できる。
仮想空間で迅速かつ低コストに可視化・検証できるため、今まで以上に幅広いステークホルダーやユーザーの参加が可能となる。
同社は、物体を掴む際の微妙な力加減の情報を双方向に伝達できる「力触覚伝達型遠隔操作ロボット」の開発にも取り組んでおり、今回のブースではその触覚デバイスを搭載したロボットの体験型展示も行っている。来場者が同社のブース内でロボットを操作することで、少し離れた共創ゾーン avatar Xブースの模擬月面(砂場)でロボットアームがボールを掴むことが可能。掴む際の触感がブース内の操縦者に伝わるようになっている。月面探査車(Dymon社開発)による模擬月面探査もデモ展示しており、宇宙での環境創造の可能性を視野に