株式会社一心助けは、2000年に設立以来、学習支援&知的財産権研究開発事業を行っている。
同社は、「鳥獣被害回避技術・製品」や「実物ポール画像の立体視シート」「パンク激減・ご機嫌チューブ」や、今回、初展示の「特許出願中のシェア・レンタルサイクル事業者への還元システム」など知的財産権研究開発に特化した技術や製品を開発し事業化している。
特許出願中のシェア・レンタルサイクル事業者への還元システムを紹介
他の人と自転車をシェアして「必要なときだけ、必要なタイミングで自転車を利用する」というシェア・レンタルサイクルが急速に普及しており、自治体を含めた、さまざまな分野からの事業参入が相次いでいる。また、利用者にとっては、スマートフォンやPCなどから簡単に予約し、そしてSuicaなどの交通系ICカードやおサイフケータイなどを使って支払う、その手軽さから利用者も増加している。同社が特許出願中のシェア・レンタルサイクル事業者への還元システムは、利用者が観光地を訪問した場所や指定場所に立ち寄った際、シェア・レンタルサイクル事業者と提携した店舗や、見学した該当場所に対して、Suicaなどの交通系ICカードやおサイフケータイなどを使って支払いをした場合に、その店舗や見学した該当場所が、シェア・レンタルサイクル事業者に対してそれに見合ったポイント、お金、提携収入それぞれの特典データが情報管理サーバーにより還元されるシステムを出願している。本システムについてが、現在特許出願中であるが、これによりシェア・レンタルサイクル事業者に対しメリットを持たせることで、インセンティブや市場の活性化にも繋がるとしている。システムの詳しい提案は同社ブースにてパネル等で紹介される。
「鳥獣被害回避技術・製品」を新たに展示
鷹画像立体視シートによるカラス糞被害激減効果」を出展する。これは、住宅街で発生する、カラスなど、鳥獣の糞被害に対して、カラスの天敵の猛禽類である鷹の写真をもとに作成した「オオタカ立体視シート」を車や路面に貼ることにより、自動車や住宅等の糞被害を減らすというものだ。
この技術・製品は鳥獣の被害を軽減すべく、天敵(カラスの場合オオタカ、鹿・猪の場合狼、熊の場合大きなくま)の画像の立体視シートを設置し、音声や光(ストロボやカラ―光源等)で被害をもたらす鳥獣を農作物現場から回避させる技術・製品。CEATEC 2019では、カラス糞公害を激減させているオオタカとトビの立体視シートと狼の立体視シートと簡易デモ用「光・音声」機器も展示される。一心助けの社長、鈴木英雄氏は、「自宅周辺での糞被害対策として同シートを開発し、15カ月にわたり、カラスの飛来を避けることができた」と話す。現在、鳥などの飛来が危険をもたらす空港などでの実証実験も行われている。また、今年8月に開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)で紹介し、多くの参加者の関心が寄せられた。「これまで、同じような製品があったが、画像は動かないので、カラスはすぐに警戒を解いてしまうが、今回は、立体的に見えるためか、カラスがまったくこなくなった。鳥獣被害は全国の住宅街に及んでおり、同製品で課題を解決できれば」と自信を深めている。
シートは、大鷹の剥製を複数のアングルから実際に撮影し、3カットの姿をそれぞれA3サイズにプリントし、UVラミネート加工したもの。さらに、大鷹の画像に影をつけることにより、立体的に見えるようにしている。鈴木氏は、「シートの利用時にビームライトや警告音、天敵の鳴き声などをあわせて使用することでより効果を上げることができる」という。シートはこのほか、鳶(とび)の立体視シートもある。
批判でもかまわないので、さまざまな意見をお伺いしたいと鈴木社長は話す。
「CEATECは、なにより、多くのエンジニアや地方自治体の関係者が集まる展示会ということで、非常に多様な人が関心を持ってくれた。製品に対しての批判や、さまざまな意見や評価をいただき、大変参考になるととともに、いろいろな事業機会を生む素地が生まれた。特定の業界の展示会と異なり、幅広いジャンルの方々が集まる点が機会を拡大するきっかけとなった。当社は、CEATECに出展している他の大企業と比べ規模が小さいが、こうした場所を活用できる点は大きなメリットがある。批判でもかまわないのでいろいろな意見をお伺いしたい」