本田技研工業株式会社
バリアブル デザインプラットホーム(3Dプリンター)「To dream the impossible dream (かなわぬ夢を見る)」はHondaの2005年のテレビ広告でアンディ・ウイリアムズが熱唱した歌の出だしの強い言葉だ。子供の時はみんな夢のクルマを紙に描いたが―今では同じ想像力を3Dプリンティングに応用し本当にクルマを作ることができるのだ。これがHondaの Variable Design Platform(バリアブル・デザイン・プラットフォーム)である。デザイナーにコンパクトEV車の基本シャーシを渡せば、ユーザーのニーズ―それは配達用でも、移動コーヒーショップでも、自分のブランドを宣伝するためのかわいいクルマとしてでもよい―に合わせたクルマのパーツを考案し印刷するだけ。最新の3Dプリント技術の向上により、さまざまなレベルにおけるカスタムカーの開発がこんなに簡単になったことはかつてない。それは、ここCEATECにおいて展示されているカブクによる美しい豊島屋の配達用車両「マイクロコミューター豊島屋モデル」が証明している。
いうまでもないが、 Variable Design Platformはデザイン業界、3Dプリントエコシステムともに無限大の可能性を広げた。よってこの技術にCEATECイノベーションアワードのIndustrial Design部門賞が与えられるのは当然のことだ。独自のスローガンが表すように―Hondaは「ザ・パワー・オブ・ドリーム(夢のチカラ)」に本気で取り組んでいる企業であると言えよう。
リチャード・ライ