CEATEC JAPAN 2014

シーテックジャパン 2014 10.7(火)- 10.11(土)幕張メッセ

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Vol.081

米国メディアパネル・イノベーションアワード2014 グランプリはオムロン株式会社“卓球ロボット”が受賞

カテゴリー : トピックス

審査員は6名

会場の様子(審査員)
会場の様子(客席)

10月9日(木)、「米国メディアパネル・イノベーションアワード2014」の表彰が会場内特設ステージで行われた。
「米国メディアパネル・イノベーションアワード」は、米国のIT・家電関係のジャーナリストが、CEATEC JAPANに出展された技術、製品、サービスを現場で徹底取材して、優れたものにアワードを授与するもの。

6名の審査員の厳格な審査の下、ファイナリスト30件から部門賞、そして全受賞者の中から最も革新的で、米国をはじめとする世界市場への影響力に優れていると思われる技術・製品・サービスにグランプリが授与された。

IoTの出現がポイント

グランプリ受賞:オムロン株式会社

受賞式では審査委員長のマイケル・カネオス氏が挨拶を行い、「今年のCEATEC JAPANは過去とはかなり違うものとなった。今までは、家電製品が主役を担っていたが、今年のショーの主役はコンポーネント用のディスプレイ、ビッグデータ・アプリケーション、ロボット技術であった。この変化には、様々な背景が考えられるが、最も重要なのはおそらくInternet of things(IoT)の出現なのでなないか。想像できる製品のほとんどに”知能”が埋め込まれていく、そんな時代に突入し始めた。」と語った。
それを裏付けるように、グランプリにはソフトウェア分野で部門賞を受賞したオムロン株式会社の”卓球ロボット”が輝いた。

高度なソフトウェア技術を賞賛

受賞式後の喜びの様子
グランプリを受賞したオムロンのスタッフ

グランプリ受賞の理由として、産業用ロボットは一般的に決まった繰り返しの作業をこなすように作られているが、このオムロンの卓球ロボットを通じて、変化のある環境下においても状況に応じて臨機応変に対応するロボットの開発が可能になることを示したことが評価された。

また、卓球ロボットについては、審査員のリチャード・ライ氏も「この展示会で卓球ができるとは夢にも思っていなかった。ましてや、対戦相手はロボットだなんて。人がするような動きや球を返してくるので人とプレーをしている感じがした。人間の動きを分析する能力、球を追尾するオムロンの高度なソフトウェア技術なくしては実現しない。そのような、膨大な演算能力と素早い力学があれば、ファクトリーオートメーションのような現場におけるロボットの潜在力を推測することが可能になる」と、卓球ロボットへの驚きとオムロンの高度なソフトウェア技術を力強く賞賛した。
開発に携わってきたオムロン株式会社 技術・知財本部 技術開発センターの川上氏は「機械が人に合わせて動く未来をわかり易い形で見せることができた。まだ思考実験の形ではあるが、”伝えたかったこと”が伝わった。それが、素直に嬉しいです。」と、喜びの声を聞かせてくれた。

各分野の受賞者

○Home Entertainment 分野

パナソニック株式会社

パナソニック株式会社:テクニクスR1
新しいリファレンス・システムは3つの個性的なコンポーネントから成り立ち、デザイン性と操作性を絶妙にブレンドしている。会場内に設置されたリスニングルームでのプレゼンテーションは、CEATEC JAPANとして一、二を争う出来栄えだった。

○Home Entertainment 分野

アルプス電気株式会社

アルプス電気株式会社:センサネットワークモジュール
小型化傾向にあるモバイルデバイスに求められる新たな相互作用方法などの問題をセンサネットワークモジュールにより、1枚のチップで対応した。将来のウェアラブルデバイスをもっと小さく、もっと省エネ、もっと使いやすいものにしてくれるだろう。

○Digital Imaging 分野

シャープ株式会社

シャープ株式会社:暗視カラーカメラ
暗闇でもはっきり見えたり、詳しく表現をするために色を認識することはとても重要である。シャープはこれを克服した。この技術が市場に導入されることであらゆる暗視用途を改善できることを望む。

○Computing and Networking 分野

ローム株式会社

ローム株式会社:USB POWER DELIVERY
デバイスにちょうどいい量の電力を供給できる小さなチップを開発している。一つのアダプターと一本のケーブルから小さなデバイスと大きな機器を同時に充電できる未来に期待。私たちの生活をもっと便利なものにしてくれることに対する努力を賞賛。

○Software 分野

オムロン株式会社

オムロン株式会社:卓球ロボット
人間の動きを分析する能力、球を追尾するオムロンの高度なソフトウェア技術なくしては実現しない。そのような、膨大な演算能力と素早い力学があれば、ファクトリーオートメーションのような現場におけるロボットの潜在力を推測することが可能になる。

○Mobile Technology 分野

株式会社東芝

株式会社東芝:メガネ型ウェアラブル「東芝グラス」
眼鏡のような外観のディスプレイ。ユーザーが見ている物の上に情報を表示することができき、拡張現実を触感的にしてくれる。同時に「現実の世界」に集中することを可能にする。

○Transportation 分野

マツダ株式会社

マツダ株式会社:LEDヘッドライト
LEDアレイ方式(LEDによるハイビーム光源を4つのブロックに分割し個別に点消灯することが可能)により、自分の周囲を明るくしながらも他のドライバーの眩惑を防ぐこの技術は、視界を良好に保ちつつ、注意力低下を減らすことができる。

○Health and Household 分野

WHILL株式会社

WHILL株式会社:Wheelchair
人に快適性とモビリティを与える次世代の車いす「モデルA」は、一回の充電で24キロまで走れる鉛蓄電池を搭載し、WHILLが特許を取得した特別なタイヤはどの方向に進もうとも滑らかに移動することが可能。ユーザーの操作性を格段に高める。

○Smart community 分野

三菱電機株式会社

三菱電機株式会社:サテライトプログラム
宇宙開発技術分野において、三菱電機(株)は広範囲な歴史を持っている。多くの消費者が日常生活とは縁のない科学実験あると見落としがちだが、それは事実とはかけ離れている。三菱電機に、人々に影響を及ぼすであろう技術的進歩という理由からこの賞を授与。

○Industrial Design 分野

株式会社デンソー

株式会社デンソー:インホイールモーター X-mobility
小型・高出力モーター技術とセンサーを応用したインホイールモーターを使って、自動車ではない他の物体を、モバイル技術を使って動かせる発想が斬新。医療現場、生活のシーンなど様々な使い方ができるところも、授賞のポイント。

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