CEATEC JAPAN 2014

シーテックジャパン 2014 10.7(火)- 10.11(土)幕張メッセ

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Vol.009

神奈川工科大学 情報工学科はスマートフォンが持つ潜在能力とその可能性を活かして、新たな技術、システムをCEATEC JAPANで紹介

カテゴリー : NEXTイノベーションプラザ

神奈川工科大学 情報工学科は、スマートフォンが持つ潜在能力とその可能性を活かして新たな技術、システムを提案し、具現化、実証することを学科として取り組んでいる。

CEATEC JAPAN 2014の同大学ブースでは、情報工学科が取り組んでいる研究テーマの一部である2アイテムに絞った展示・デモが予定されている。

(1)スマートフォンによる非可聴音を用いた屋内測位システム
(2)カメラとカラー手袋を用いた色検出による手話認識システム

屋内測位システムは、スマートフォンから発生する非可聴音を用いた屋内での高精度な測位システムを提案。手話認識システムは、現在デモンストレーション時の安定動作を重視してWEBカメラとPCを用いているが、将来的にはスマートフォン内蔵カメラを用いてスマートフォン単体での実現を目指す手話認識システムとして提案する。

スマートフォンによる非可聴音を用いた屋内測位システム

屋内での測位要求は、屋外のそれに比べて高い場合も多いと思われる。例えば、工場内の搬送車両の走行制御や視覚障碍者の方への商品棚へのナビゲーションなどへの応用を考慮すると、数十cm程度の測位精度が求められると考えられる。高精度な屋内測位システムを実現するための方法として、超音波(40kHz)の到達時間差を用いた超音波測位システムを開発、数cm程度の測位誤差に抑えられることを実現し、CEATEC JAPAN 2013において展示がなされた。この測位システムは、ユーザ(測定対象の物体)が専用の超音波発信機を所持する必要があり、一般ユーザへの展開の観点からの課題があった。同大学では、超音波に代えて今回新たに非可聴音(本研究では17kHzを利用)の発信源として、広く普及しているスマートフォンを使用する新たなシステムを開発した。これによりユーザが専用の発信機を持つ必要がなくなり、より一般ユーザ層への展開が期待される。本システムを利用した静止物体への測位実験では、平面内での誤差1cm以下、標準偏差3㎜以下であることが確認された。

研究室では、移動物体測位実験として、模型列車にスマートフォンを搭載し移動体でも非可聴音測位が可能であることが再現されていた。また、環境雑音の問題に対しても、帯域フィルタによるノイズ除去によって、騒音環境でも測位精度を確保できることが検証された。

スマートフォンによる非可聴音を用いた屋内測位システム

手袋を用いた色検出による手話認識システム

同大学 情報工学科では、スマートフォン内蔵のカメラとその高い処理能力を用いて、カラー手袋を装着した人の手話をスマートフォンのカメラで文字変換し読み取るシステムを開発した。最終的にはカラー手袋を装着した人の手話を自動翻訳するシステムの実用化を目標にしている。

手袋を用いた色検出による手話認識システム

昨年のCEATEC JAPAN 2013では、その前段階として静的な手指形状(形成と記憶が容易なオリジナルの手指形状)を提案するとともに、その認識技術を開発し文字表現による意志伝達システムとしてデモを行い注目を集めた。研究室の試作システムでは、白い布地の手袋の指や手首、手のひら部分をそれぞれ異なる色で着色して使用し、これらを色識別により指の形や腕の動きに連動する手首の重心位置の移動も検出して手話を読み取りスマートフォンやウエラブル端末に単語を表示する実証実験が繰り返されていた。研究室では、さらに現在の手話前後の手指の形と手話中の腕の動きの認識に加えて各指の動きを認識することで、より複雑な手話の認識への展開を試みたいとしている。また、環境光の変化による色検出精度の劣化を抑制するために、クラスタリング手法を用いたキャリブレーションにより、色検出閾値を自動決定する手法を提案し、実装している。研究室では、将来はヒューマンインタフェースとしてパソコンや家電の操作にも応用したいとしている。

神奈川工科大学 情報工学科

今回出展する、神奈川工科大学 情報工学科は、通信機能に加え、内蔵する多様なセンサ群、高い処理能力というスマートフォンが持つ潜在能力とその可能性を活かして、新たな技術、システムを提案し、具現化、実証することに学科として取り組んでいる。CEATEC JAPANでは、情報工学科で取り組んでいる研究テーマの一部が紹介される。

ブース番号 ユニバーシティエリア
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神奈川工科大学 情報工学科 ブログ
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