半導体・電子部品メーカーのロームとSiCパワーエレクトロニクス製品の実用化に向けた新会社「福島SiC応用技研株式会社」が、科学技術振興機構の支援を受け、共同開発したSiC MOSFETを搭載した高電圧半導体スイッチモジュールを発表した。
モジュールの組み合わせによって、加速器やプラズマ発生器などに使用できる高電圧のパルス発生器を作製できる。SiC(シリコンカーバイド) の特性を活かし、従来のSi搭載品では達成できなかった性能が実現できるため、最終アプリケーションの小型化にも貢献するという。例えばこの高電圧のパルス発生器を加速器の加速電極管部に搭載すると、従来数百メートル以上も必要だった電極管を飛躍的に短くすることができ、装置の大幅な小型化を実現できる。
福島SiC応用技研株式会社は、ロームや中性子応用技術の事業化に取り組む京都ニュートロニクス(京都市)などが共同出資し、「福島の復興をSiCという最先端半導体技術で支援する」活動の一環として、福島県内に立ち上げた会社で、来年にも工場を新設する。SiCパワーデバイスを搭載した高電圧パルス発生器の実用化は世界初である。
高電圧パルス発生器は加速器中性子源の小型化・低コスト化を実現する。加速器中性子源は大量の中性子を発生させる装置で、がん治療、あるいは核医学診断用ラジオアイソトープ製造など医療用分野での応用が期待されている。
CEATEC JAPAN 2014のロームブースには、ベアボード(基板)とともに、32kV/240A-peak超高耐圧NチャンネルSiC-MOSFETモックアップが展示される。
ローム株式会社
ブース番号 | 6K177 |
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