株式会社東芝は、光触媒の力でウイルスや菌を分解除去する消臭スプレー「ルネキャット®」をCEATEC JAPAN に初出展した。
ブースでは施工例を紹介
酸化タングステン触媒は、酸化チタン光触媒に比べより長い波長域(室内光)でも分解力を発揮する。
ルネキャット®は酸化タングステンを使用した新しい光触媒。一般的に光触媒といえば、本多健一氏と藤嶋昭氏(1967年、当時は東京大学)が世界に先駆けて発見し、ノーベル賞候補とも言われる「ホンダ・フジシマ効果」を基本原理とした酸化チタンが思い浮かぶ。光触媒は日本発の技術であり、実用化も日本が先行。強い分解力で物質表面を親水化し汚染を防ぐ機能から、ビル外壁の塗装材などに多く利用されている。
酸化タングステン粉末(左)と、スプレーボトル(中央)、液中に粉末を分散させたスラリー(右)
学問的には、チタン以外にも鉄やビスマス、タングステンなどが光触媒機能を持つことは分かっていたが、性能のよい実用的な触媒は実現していなかった。
(2010年前後に東芝マテリアル株式会社が酸化タングステンの良質な結晶粒をナノレベルに粒径制御する技術を確立、実用化にこぎつけたのがルネキャット®。
そもそもタングステンは東芝のルーツに連なる白熱電球「マツダランプ」のフィラメントに利用されており、この元素を扱う技術ノウハウは十分すぎるほど蓄積されている。酸化チタン触媒に比較しての酸化タングステンの強みは、紫外線より低い周波数の光、すなわち室内のLED照明や蛍光灯など、より長い波長域の光でも分解力を発揮できる点だ。
CEATEC JAPANの展示では、ホテル、医院、老人保養施設などでの施工例を紹介しつつ、スプレー型の商品をアピールし、さらなる展開を探っている。
株式会社東芝
ブース番号 | 3L117 |
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関連リンク
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