三菱電機株式会社は、同社デザイン研究所(神奈川県鎌倉市)が開発し、今年2月に発表した自動車向け「簡単操作インターフェイス」の運転席型プロトタイプ・デモンストレーション展示を行っている。
スピーディで快適な三択を採用
国内外の自動車メーカーにカーナビゲーションシステムをOEM供給する同社は、現行のカーナビにおいて「機能追加で操作のステップ数が増える」という問題に対するソリューションとして、2011年からこのシステムの開発に取り組んできた。
ドライバーの操作履歴や運転履歴をもとに、学習機能を持ったエージェントがドライバーの行いたい操作を「先回り」し、3つの選択肢としてヘッドアップ・ディスプレイに提示。ハンドルについたボタンを押して選ぶという、いわば「三択問題に回答する」形式でカーナビを操作する点がその核心だ。
「スマホやタブレットで音声の操作もできますが、選択肢の提示まで音声でやってもらうのはあまりにまどろっこしい。三択でパッと選んでもらうほうがスピーディだし快適です。また、先読みといっても、ユーザーの意図を何でもかんでも先回りしてはいけないんですね。ドライバーが達成感を感じてもらえるよう、選択肢を三択の回答に落としこむのも苦労した点のひとつです。」(三菱電機株式会社 デザイン研究所 インターフェイスデザイン部インターフェイス第1グループ専任 相川真実氏)
ボタン操作2回以内、15秒以内で完了
デモでは目的地や経路選択だけでなく、電話をかける操作も選択肢として提示されるが、では具体的に「三択の選択肢作成」で苦労した点とはどのような部分だろうか?
「たとえばトイレに行きたいというドライバーの意図に対する答えは、コンビニなのか道の駅なのか、それとも人気(ひとけ)のない場所なのか。場所や状況によってふさわしい選択肢は違ってくるわけです。そういった点も含め練り上げた上で、操作開始からボタン操作2回以内、15秒以内で操作が完了するシステムとなりました。
このインターフェイスを発表したときの自動車メーカーさんの反応は、私たちが想像していたよりも良いものでした。未来的すぎず、今の技術で手の届く未来であると思ってもらえたからではないでしょうか。会期中にもより多くの方にデモを体験していただきたいと思います。」(前出・相川氏)
三菱電機株式会社
ブース番号 | 2L43 |
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