ワイヤレス、リアルタイム、ウェアラブルの3大特徴
CEATEC JAPANに異色な企業が登場する。今年、創業82年を迎えた日本の産業用ヘルメットのトップメーカー株式会社谷沢製作所だ。
今回、同社がCEATEC JAPANで展示するのはヘルメットや帽子に装着して使う、小型ワイヤレスコミュニケーションカメラ「Uメイト/U-BOX BT」だ。
Androidスマートフォンを経由してリアルタイムの映像と音声を遠隔のPC上へライブ中継できる機能を持つ。本体とスマートフォン間をBluetoothで接続するため、ワイヤレスで使うことができる。カメラを内蔵した本体部分を帽子やヘルメットなどに取り付ければ、ウェアラブル&ハンズフリーで撮影できるのも利点だ。
このワイヤレス、リアルタイム、ウェアラブルの3大特徴を生かして、作業現場では映像を使った安全支援や技能継承、現場管理、作業記録のツールとして使われている。また、大手システム会社と協業し、本製品を端末として採用した位置管理システムやクラウド録画システムなども提案している。
なお、「Uメイト」は現在のところMPEG対応だが、CEATEC JAPAN会場では新たにモーションJPEG対応バージョンも発表される予定だ。
産業安全ヘルメット界のトップメーカー
同社広報によると、同社は産業用ヘルメットの分野では国内生産数トップのシェアを持ち、世界でもトップクラスの生産量を有する。
産業用ヘルメット以外では、顔・目を守るシールド面・保護めがね、呼吸器系を守る呼吸用保護具、足を守る安全靴、墜落を防止する安全帯、安全な作業を支援する携帯無線機、粉塵や騒音などから作業者を守る風管や防音扉など、労働災害防止の分野で幅広く製品を供給している。
Uシリーズ
「Uメイト/U-BOX BT」は同社の通信機器部が開発した製品だ。
特定小電力無線機の開発からスタートした通信機器部は、次にリアルタイムで映像を送る技術を用いて、ITヘルメットの先駆けである「Uメット」を6年ほど前に世に送り出した。
「Uメット」はベースとなるヘルメットに通信機能を持ったバイザーを装着することで、現場の状況を作業者と管理者がリアルタイムで共有できるもの。その発展型が「Uメイト/U-BOX BT」であり、「Uメット」を含んで「Uシリーズ」と呼んでいる。
これまでは危機管理や専門分野の展示会などに出展してきた同社だが、CEATEC JAPANに出展するのは初めて。小室達之 通信機器営業グループ長は「作業現場の安全を守るというかなりニッチな製品なので、今回は関連のある異なった分野の方々に広くこの製品を見てもらいたくてCEATEC JAPANを選びました。すごい最先端技術を紹介するわけではないですが、安全保護具メーカーが“現場の安全を守る”という観点から提案するメッセージです」と出展動機を述べる。
CEATEC JAPANのブースは現場色を強く打ち出したディスプレイを施す予定で、作業現場の安全を守る同社の特色と気概をアピールするという。
株式会社谷沢製作所
ブース番号 | 1L09 |
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関連リンク
- 株式会社谷沢製作所
- http://www.tanizawa.co.jp