パソコンやネットの保守・サポートを行うパソコンサポート屋はCEATEC JAPAN 2017で、次世代型UTM（Unified Threat Management）と呼ぶ、インターネットのセキュリティ機器を出展する。機器のセットアップから、設置工事および保守サポートまでに対応する。

　UTMは、コンピュータウィルスやスパム、ハッキングなど、ネットの脅威から、包括的に保護をするための管理手法・機器のこと。複数の脅威に対抗するためのセキュリティ対策を一括して対応することで、導入コストや管理コストを低減しようというもので、2004年ごろから企業における導入が進んできた。しかし価格的には100万円前後の導入コストや保守管理費用が必要なため、中小企業や小規模な店舗、集合住宅などへの普及は進んでいないのが現状だ。

　家電製品などにもIoT機器の導入が進めば、住人が気がつかないうちに家庭内でネットワークが使われ、それがいつのまにか犯罪に悪用されるという事態も想定される。パソコンサポート屋は、比較的安価な導入コストで包括的なネットのセキュリティ対策ができる高性能の次世代型UTMを開発した。

　同社の永野典明氏は、今回のCEATECの出展のねらいについて、次のように話す。
「UTMの導入は進んでいるが、現状ではまだ価格的に導入できない企業も少なくない。しかし、ランサムウェアの台頭や、テレワークやIoTを用いた顧客・製品管理の拡大など、業務におけるネットワークセキュリティの重要度は格段に高まっている。また、IoTの普及により、家庭内でもネットの利用が拡大するとともに、知らない間にネットが使われているケースも増える中で、個人の情報管理といった面でもネットのセキュリティ対策が緊急の課題となりつつある」

「当社では、そうした拡大する潜在ニーズへ対応するための、低価格・高性能なセキュリティ機器として、UTMの機能に加え、アプリケーション制御、WEBアクセス制限などの機能を持つ「次世代型UTM」を開発した」（永野氏）

10月2日に発売する次世代UTM「PcSupport UTM 1500」の前面

　製品名は「PcSupport UTM 1500」。サイズは13cm×13cm×4.5cmと手の平に乗るサイズ。ファイヤーウォール、アンチウイルス、アンチスパム、侵入検知、インターネット接続、VPN接続などの機能を持つ。

　ロードバランサーの組み込みで高い負荷分散を実現。また、フェイルオーバーの組み込みでWAN回線の冗長化を解消している。レポート機能を搭載しており、一定間隔で管理報告を送信する。

　また、ネットワークインフラを提供する際、セキュリティ対策の実現のため、Google、Facebookなどの認証機能を使って接続を許可する「キャプティブポータル機能」を装備している。これによって、インバウンド（訪日外国人観光客）などのアクセスも、Google、Facebookなどの認証機能を使って接続を許可できる。

別機種PcSupport UTM 1500の前面

　パソコンやタブレットなどでSSIDを選択し、Wi-Fiネットワークに接続、ブラウザを開いて、サイトにアクセスする前に認証ページにリダイレクトし、SNSでOAuth認証、事前に告知されたID等で認証できる。これにより、Pcsupport UTM 1500を介したインターネットに接続が可能になる。Webキャッシュ、帯域幅制御、WANロードバランサー、WAN冗長化などの機能を持つ。パソコンサポート屋による、一貫したサポートが可能なため、購入後の負担が少なくて済むという。

　PcSupport UTM 1500の初期費用は250,000円（ハイスペック版は600,000円）、月額保守料は2,500円（ハイスペック版は5,700円）。CEATEC開催前日の10月2日に発売を開始する。

　会場では、2機種の実機展示のほか、パネル展示、動作展示を予定している。デモではパソコンでのウイルステストの表示デモや、宿泊施設向けの無線LAN機器を通した認証システムなどを紹介する。

　永野氏は当初の提案先について、次のように話す。
　「低価格でありながら、高機能で保守管理が容易な製品であるため、まずは、各種の集合住宅でのゲートウェイとしての導入を提案していこうと考えている。今回のCEATECでも、アパート経営を支援している建築関係業者やデベロッパー企業、レンタルオフィス、テレワークを推進している企業やSOHO企業などに提案していきたい」