CEATEC JAPAN 2015

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フィルムセンサーを立体成型、屈曲型の先を行く
双葉電子工業の静電容量方式センサー

カテゴリー : キーテクノロジーステージ

双葉電子工業はCEATEC JAPAN 2015にブースを出展。静電容量方式タッチセンサーや有機ELディスプレイなど、自社の製品や先端技術に関する展示を行った。

CEATEC JAPAN 2015の双葉電子工業のブース

マウスのようなフォルム全体がタッチセンサーに

3D TPのデモ。立体成型されたタッチセンサーを触ると、画面上で操作が認識されているのがわかる

3D TPについて、同社では旧MT車のシフトレバーにあたる位置に配置することを想定しているという

今回の展示の中でも同社の新技術として注目を集めていたのが、「3D TP」という名で出展されている立体成型された静電容量方式タッチセンサーだった。これは、フィルムセンサーを外郭ごと立体成型したもの。イメージとしてはマウスに似ており、ボタンなどの映像を表示させることも可能。用途として同社ではカーナビやエアコン、パワーウィンドウなど、車内の機器を集中管理するコマンダーとしての利用を想定しているという。

近年ではアップルの「CarPlay」やグーグルの「Android Auto」など、車内でのボタン操作を集約するデバイスとして、スマホを利用しようという動きがある。しかし、スマホの画面は平面のため、運転中に前を見ている状態では、どこを触っているか分からないという問題があった。

しかし、3D TPであれば指先の感覚から場所を把握し、運転中でも手元を見ずに操作が可能となる。横のスクロールでアイコンを回転、中央のタップで選択というように、同社では現在ソフトウェアの開発も進めている途中とのこと。フローティングディスプレイやヘッドアップディスプレイなどの登場が予想される未来の車においても、そのコントローラーとして役立ちそうだ。

同社の有機ELディスプレイは、ガラス型が車載用として、フィルム型がウェアラブル端末用としてそれぞれ主に利用されているとのこと

なお、フィルムを使った曲面型のタッチセンサーは従来からあったが、今回のような立体加工を施すと、引き延ばすような成形に耐えられなかったという。そこで、同社では屈曲性だけでなく、延伸性や耐熱性に優れた電力材を採用。一度平面に作ったフィルムセンサーを外郭ごと成形することで、立体加工を実現している。まずは車載デバイスとしての利用を目的に、2019年までの製品化を目指すということだ。

その他、会場では素材にフィルムを利用した、屈曲タイプの有機ELディスプレイについての展示も行われていた。こちらは薄くて軽いという利便性もあって、既にウェアラブルなガジェットで利用されているという。屈曲性のある有機ELディスプレイは各社から発表されているが、既に量産化されているのが同社の大きな強みとなっているとのことだ。

ブース番号
ホール5 5K54
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出展者情報はこちら

日精電機株式会社 : http://www.futaba.co.jp

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