CEATEC JAPAN 2015

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米国メディアパネル・イノベーションアワード2015
グランプリは三菱電機株式会社“レーダーによる津波監視支援技術”が受賞

カテゴリー : トピックス

8名の審査員により厳格に審査

10月9日(金)、「米国メディアパネル・イノベーションアワード2015」の表彰が会場内特設ステージで行われた。

同アワードは、米国のIT・家電関係のジャーナリストが、CEATEC JAPANに出展された技術、製品、サービスを現場で徹底取材して、優れたものにアワードを授与するもの。今年は昨年よりも2名多い8名の審査員により厳格な審査が実施された。

審査員が挙げた候補の中から9つの分野で部門賞を表彰。さらに部門賞受賞者の中から最も革新的で、米国をはじめとする世界市場への影響力に優れていると思われる技術・製品・サービスにグランプリが授与された。

会場の様子(審査員)

会場の様子(客席)(右)

命を救う技術が表彰・評価に値する

グランプリ受賞:三菱電機株式会社

受賞式の冒頭で審査委員長のウベール・ニューエン氏は、「多くの製品・技術・サービスを見て、知り、体験しましたが、その中からこれが一番だというものを選ぶのはとても難しかったです。しかし、ひとつひとつをよく吟味し、ディスカッションを重ねた末、結論に達しました」と挨拶。そして見事、グランプリに輝いたのは三菱電機株式会社の「レーダーによる津波監視支援技術」だった。

同氏はグランプリの授与理由について、「『技術』は私たちの生活を豊かに、そして安全にするためにあります。どんな研究も、ひとつでも多くの命を救えるならばやりがいのあるものですが、それが何千・何万人の命に及ぶのであれば、確実に表彰・評価に値します。日本は常に津波研究の第一人者であり、全世界がそれによって受けられる恩恵は大きいと言えるでしょう」と述べた。

安全と安心を世界に広げる自信に

授賞式では、三菱電機株式会社で熱流体システム技術部流体・伝熱制御技術グループ専任を務める石川博章氏が登壇して賞を受けた。審査委員長のウベール・ニューエン氏と固く握手を交わし、式が終了するとさっそく出展ブースに受賞楯を飾った。

「これだけ多くの技術・製品・サービスが出展されている中でグランプリを受賞できたことにまずは驚き、うれしいという気持ちでいっぱいです」と石川氏。

東日本大震災のあと、気象観測などに利用していたレーダー技術を津波観測に応用しようとプロジェクトをスタートさせたが、「距離が離れるほど通常の波と津波を区別することが困難で、開発には苦労しました」と石川氏は振り返る。しかし、「先駆けとなるこの技術を世界に広げていく上で、今回のグランプリの受賞は自信になり、大きな弾みとなるはずです」と力強く語った。

グランプリ受賞:三菱電機株式会社

グランプリ受賞の楯を出展ブースに展示:三菱電機株式会社

各分野の受賞者

アルプス電気株式会社/株式会社16Lab

○Home Entertainment 分野

アルプス電気株式会社/株式会社16Lab:指輪型ウェアラブルコンピューティングデバイス

ジェスチャーコントロール機能、メッセージやメールの通知機能、電子マネー機能など、さまざまな機能を指輪サイズの小さなウェアラブルデバイスに集約した点が高評価。審査員のスティーブ・グリーンバーグ氏は「手を振るだけでテレビを操作したり、メール受信を確認したり、お買い物をしたりできたら良いと思ったら、ビヨンセの歌にもあるように“PUT A RING ON IT(直訳:指輪をハメちゃいな!)”です」と称賛した。

ローム株式会社

○Electronic Components 分野

ローム株式会社:Lazuriteでコントロール「羽ばたく折り鶴」

Lazurite Fly(ラズライトフライ=日本語名称:羽ばたく折り鶴)モジュールは、高効率のLazuriteマイコンと電池にやさしいSub-GHz無線技術、小さなモータードライバーを組み合わせ、SDカードサイズにまで小型化した優れもの。審査員のリチャード・ライ氏は「この技術の実演で、日本の優雅な折り鶴に搭載するよりも良い方法があるだろうか。わずか31グラムで5分と比較的長い飛行時間を可能としたラジコン折り鶴はかなりの功績である。Lazurite Flyで次に何ができるか楽しみだ」と目を輝かせた。

三菱電機株式会社

○Digital Imaging 分野

三菱電機株式会社:次世代超大型望遠鏡「TMT」

ミラー(鏡)型望遠鏡の中でも最大クラスのもので、月面に昆虫がいればその昆虫までも捉えることができるほどに驚異の望遠力を持つ。審査員のウベール・ニューエン氏は「宇宙で起きていることを理解することは、われわれ地球上のことをよりよく理解することに役立ちます。ですから、私たち審査員はこの驚くべき技術に部門賞を授与することに決めました」とたたえた。

楽天株式会社

○Softmare, Computing and Networking 分野

楽天株式会社:WallSHOP スマートフォン連動型お買い物デジタルサイネージ

ユーザーの手持ちのスマートフォンと連動するデジタルサイネージ。QRコードを読み取るだけでデジタルサイネージとインタラクティブにつながり、楽天市場の膨大な商品カタログの中の商品と触れ合うことができる。審査員のアウリ・ライムザディ氏は「プラグインがいらない、デバイスに依存しないスマートなウォールソリューションだ。スマートフォンの設定言語へ自動翻訳してくれる、巧みに練られたユーザーエクスペリエンスを称賛したい」と高く評価した。

シャープ株式会社

○Mobile Technology 分野

シャープ株式会社:ロボット携帯電話 RoBoHoN(ロボホン)

二足歩行が可能なヒューマノイドロボットに携帯電話技術を融合させたコンパクトサイズのロボット型電話。審査員のトム・サミィリアン氏は「歩き、ダンスをし、おしゃべりもできる愉快なロボット。しかも、電話をかけたり受けたりできるほか、音声と顔認識機能からマルチメディアメッセージまでスマートフォンが持つ様々な“つながる機能”を利用できます。驚きと楽しさで際立つこと間違いなし」とコメントした。

ホンダ技研工業株式会社

○Transportation 分野

ホンダ技研工業株式会社:Power Exporter 9000(外部給電用インバータ)

電気自動車や水素燃料自動車を家庭用発電機として利用できるようにするもの。一般家庭へ数日間電気を供給することができ、非常時の電源に活用可能だ。審査員のティム・スティーブンス氏は「ホンダの数十年に及ぶ発電事業の経験で得られたノウハウを結集した優れた技術。自動車を高効率の電源ソースに変えることができた点を称えたい」と部門賞の授与理由を明かした。

オムロン株式会社

○Health and Household 分野

オムロン株式会社:ヒューマンビジョンコンボ 家族目線(HVC-C2W)

IoT(Internet of Things=モノのインターネット化)が存在感を高めているなか、「家族目線」は賢くデザインされたネットワークカメラとして注目される。審査員のジョシュア・ファーリンガー氏は「顔認識ソフト技術や、体温変化を感知する超小型センサー等を組み合わせることで、家族全員の健康状態を“見える化”してくれます。『CEATEC JAPAN 2015』で日本へ出張中、私は自宅で留守番をしてくれている飼い猫のスパーキーの様子をストリーミングカメラで確認していますが、そう遠くない未来には、スパーキーがちゃんと食べているか、体調はどうか、留守番をさせられてご機嫌が斜めなのか、などを確認できる日がやってきそうだ」と今後の期待についても言及した。

三菱電機株式会社

○Smart Community 分野

三菱電機株式会社:レーダーによる津波監視支援技術

50キロメートル沖合の津波を観測し、沿岸に到達する10~12分前に警告や避難を呼びかけられる点から授与が決まった。審査員の津山恵子氏は「災害防止こそ技術が貢献できる最も重要な分野の1つ。この技術は、津波災害に脅かされていたり、沿岸部に原子力発電所のような危険施設が建設されている国々で活用できます」と力強く語った。

シャープ株式会社

○Industrial Design 分野

シャープ株式会社:曲面型FFD(フリーフォームディスプレイ)

「どうすればより新しく革新的な方法で、さまざまな情報を表示できるか」がクルマ作りの鍵の1つとなっている今日、車内インテリアの曲面にディスプレイを設置できるようにしたのは革新的。審査員のティム・スティーブンス氏は「より大きくカーブのかかった新しいFFDが車のデザイナーに対し、今まで以上の自由度と可能性を与えてくれる意味は大きい」とコメントした。

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