CEATEC JAPAN 2015

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NHK、世界初となるHDR対応8K映像のデモ
高精細+HDRで映像はさらに人の目に近づく

カテゴリー : ライフ&ソサエティ ステージ

NHK(日本放送協会)はCEATEC JAPAN 2015で放送研究に関する技術展示を行った。

国内初の展示

HDR対応の85インチ8K液晶ディスプレイで、従来の方法で編集した映像を表示した様子

会場ではHDR対応の85インチ8K液晶ディスプレイが出展された。
HDRとはハイダイナミックレンジ合成と呼ばれる技術のことで、明暗差のあるようなシーンでも白飛びや黒つぶれを防ぎ、人の目に近い色表現を再現する。なお、HDR対応ディスプレイで映像デモの展示が行われたのは、今回が国内では初めてとのことだ。

HDRについては現在規格の策定に向けて調整が進められており、NHKではBBCと共同で“Hybrid Log Gamma”という方式を推進している。この方式では従来のガンマカーブを高いレベルで維持でき、今までの映像表現との互換性も高いと言われている。

HDR対応のコンテンツを表示した様子。暗部や明部が視認でき、色も鮮やかに再現されていることが会場ではよくわかる

会場では実際にHDR対応の8K映像が再生された。さらに、画質の比較として、一つの元になった映像を従来とHDRの編集過程でそれぞれ処理したものを表示。例えば、スポーツシーンでは日陰となったグラウンドの選手が視認できる一方で、日なたの観客席も白飛びすることなく表示されているのが分かる。色の表現についても美しい彩度で、より人間の目で見たものに近い描写がされているという印象だった。

様々なデバイスで8K映像が楽しめる

CEATEC JAPAN 2015のNHKのブース

一方、会場では8Kに対応したディスプレイについても、様々なサイズのデバイスが参考出展された。小さいものではパソコンやタブレットでの利用を想定したものもあり、将来的にはこのようなデバイスでも、8Kの高精細な映像が楽しめるようになるという。コンテンツについてもVODなどの手段で、テレビと変わらないものが提供されていくとのことだ。

その他、会場では4K8Kの試験放送デモも行われた。渋谷の放送センターで放映した映像を、衛星を経由して会場で受信。まさに、家で衛星放送を観るのと同じ環境を再現している。また、VODと連携して放送中の映像をプレイバックできる「ハイブリッドキャスト」など、8Kに関連した技術展示も実施。来年の試験放送に向けて、4K8Kの世界を先取りできる展示となった。

ブース番号
ホール1 1L04
関連リンク

出展者情報はこちら

NHK : http://www.nhk.or.jp/

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