CEATEC JAPAN 2015

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ロームが、USB Type-C Power DeliveryコントローラICを開発
USB Type-C規格対応で100Wの大電力受給電、ノートPCやTVも駆動可能に

カテゴリー : キーテクノロジーステージ

ローム株式会社は、情報機器と周辺機器を接続するUSB Type-Cコネクタ*1で「USB Power Delivery(以下USBPD)」を実現する電力受給電コントローラIC「BM92TxxMWVシリーズ」を開発した。
近年、欧州を始めとする多くの地域では、産業廃棄物の削減がうたわれており、全世界における全ての電子機器で共通化可能な充電器や通信コネクタなどが求められている。 こうした中、USB規格団体「USB Implementers Forum, Inc.*2」が普及を目指しているコネクタ規格「USB Type-C」と同時に、電力拡張規格「USBPD」が注目されている。すでにUSB端子は世界中の電子機器に組み込まれており、USB端子から受給電できる電力が増大すれば、多くの電子機器でデータ転送と大電力の受給電を同時に行える共通のインターフェースを実現することができる。

スマートフォンやタブレットPCにおいて従来比約4倍以上の急速充電が可能に

「BM92TxxMWVシリーズ」は、最新のUSB Type-C規格Rev1.1とUSBPD規格Rev2.0に対応しており、従来7.5Wまでの電力供給しかできなかったUSB Type-C対応機器間で、最大100W(20V / 5A)までの受給電を可能にした。これにより、ノートPCやTVなど大きな電力を必要とする機器でさえも、USB端子からの給電による駆動が可能になる。同時に、USB端子の従来用途であるスマートフォンやタブレットPCにおいては、従来比で約4倍以上の急速充電が可能になるという。

また、USB通信信号線に映像信号を通すことができるようになるAlternate-Mode制御にも対応しており、映像専用ポートが不要になるため、給電しながら映像信号も映すこともできる。さらに先進技術を駆使することで、機能の小型化、最適化を実現。受給電制御用の別電源やFETなどの部品を削減することができ、一般システムと比較して、外付けの電源ICをはじめ部品点数を20点以上減らすことができるという。

CEATEC JAPAN 2015の同社ブースでは、この最新のコントローラIC「BM92TxxMWVシリーズ」をはじめ、アナログパワーLSI、パワーデバイス製品群、スマートモビリティ実現のための省エネデバイスなど、これからの IoTで必要不可欠となる通信・マイコン・センサ技術を中心に幅広く展示・紹介する。

※1 USB Type-C規格(Type-C コネクタ)
基準となるUSB3.1において定義された、レセプタクル(凹側コネクタ)、プラグ(凸側コネクタ)、ケーブルのUSBコネクタ標準規格。従来と異なりHost側/Device側の区別なく使用することが可能で、コネクタ形状も小型で表裏の無いものに統一されている。

※2 USB Implementers Forum, Inc.(USB-IF)
1995年に設立されたUSB(Universal Serial Bus)の標準化を進める規格団体で、USBの仕様策定や管理などを行う。現在では800社を越える企業が会員となっている。

USB Power Deliveryとは?
USBケーブルを利用して最大100Wまでの受給電を可能にするUSB電力拡張規格。ノートPCなど従来のUSB給電では駆動することができなかった機器への給電、モバイル機器への急速充電(充電時間の短縮)が可能になる。
接続される2つの機器間でUSBPD専用通信を行い、電力受給契約後に相互に最適な受給電電圧と電流が決定される。USBPDに必要な通信は、新設の専用線CCライン上で行うため、従来のUSBデータ通信と独立して機能することができる。

ブース番号
ホール5 5K20
関連リンク
ローム(株)
出展者情報はこちら

ローム株式会社:http://www.rohm.co.jp

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