CEATEC JAPAN 2014

シーテックジャパン 2014 10.7(火)- 10.11(土)幕張メッセ

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Vol.003

海外ジャーナリストが見た“CEATEC JAPAN” (1) テクノロジーの新たな“光”を探して。

カテゴリー : トピックス

マイケル・カネロス氏 (Michael Kanellos) Greenbiz.com, Forbes.com
米国メディアパネル・イノベーションアワード審査員長

私がCEATEC JAPANを取材に訪れる理由

マイケル・カネロス氏
(右端:2013年の表彰式にてグランプリ受賞者「日産自動車株式会社」と共に)

CEATEC JAPANは、日本の最大手企業の戦略的な取り組みや製品計画を覗き見する窓として、とても大切な展示会です。例えば日産自動車は、特に近年、自社の技術力をアピールする場としてCEATEC JAPANを利用してきました。

2007年に日産のある役員から打ち明けられた、日産が電気自動車を生産する計画があるという話をもとに、私がCNETに書いた記事は、後に日産リーフと呼ばれることになる日産の電気自動車について書かれた最初の記事となりました。その後も、日産は自動車に組込まれる自動運転に関する最新テクノロジーをとても早い段階から少しずつ見せてくれました。

トヨタ、シャープ、パナソニックの各社も、スマートホームに関するアイデアをCEATEC JAPAN で紹介してきました。スマートホームはここ数年、展示会における主な展示テーマの一つとなっていましたが、現在、CEATEC JAPANで展示された技術が次々と実際の製品に組込まれ始めています。

CEATEC JAPANは、ただのアイデアにすぎなかったものが、現実の製品になっていくというテクノロジーの進化を目の当たりにできる大切な機会となっています。


審査員を代表しスピーチするマイケル・カネロス氏
(2013年の表彰式にて)

テレビに関する進化も、まず初めにCEATEC JAPANに展示されました。東芝のナノチューブ・テレビなどに代表されるいくつかの技術は、例え市場には投入されなくても、ジャーナリストとして追いかける価値はとても大きいものがあります。そして、私にとってのCEATEC JAPANは、メーカー各社がいま、どのようなことを考えているかを知るために欠かせない大切な場所でもあります。

また、CEATEC JAPANは、エンタープライズ・テクノロジーの進化を目にするために最適な機会でもあります。ともすると消費者向けの製品に目を奪われがちですが、もっと目を凝らすと、思わぬ宝ものを発見することができます。

例えば、たくさんの会社が都市開発や農業に関する技術革新に光を当ててきたなかで、富士通は2013年に、腎臓に病気を抱える人にとって効果があるように、レタスの特性を最善化するクラウドシステムを展示しました。こうした発明は、新型のスマートフォンのように、新聞の見出しを賑わすことは無いかも知れませんが、それより重要な影響を世界に与えるかも知れません。

テクノロジーの進化における日本の役割は、ともすると低く見られがちです。例えば、日本がアメリカにおけるスマートグリッドの進歩に重要な役割を果たしていることを理解している人はあまり多くありません。アメリカに影響を与える事柄について知るためには、わざわざ遠い日本にまで来なければならないというのはおかしなことです。しかし、私は日本を訪れることで、こうした話題を取材することができるのです。

今年、そしてこれからのシーテックジャパンに期待すること

日本の企業は、工業デザインと精密技術に関して、いつも革新的な役割を果たして来ました。特に、CETEC JAPANでは、LEDディスプレイ、バッテリー、フラッシュメモリを使った革新的な技術に出逢うことができます。

初めて私がCEATEC JAPANを訪れたとき、ソニーが1テラバイトの家庭用データストレージシステムを紹介していたことを思い出します。テラバイトという単位は、当時の私にとって、天文学的な数字でした。ところが、ソニーは、将来、本格的にメディアライブラリをはじめると、1テラバイト程度のサイズではとても間に合わないだろう!と言っていました。そのシステムには、とても素晴らしいデザインが施されていました。あれから数年たったいまでは、テラバイトはごく普通の単位になってしまいました。

2014年、私は展示会の花形であるモバイルに加え、スマートホーム、LED照明の進化を楽しみにしています。LEDには、技術分野の中でも最大規模の市場があります。そしてそれは、価格よりも品質が重要視される市場でもあります。消費者は、安いけれどもチラつきのある照明は嫌がります。その点で、中国製品の印象は、ぱっとしません。

メーカー各社は、最先端の生産技術と最新鋭の工業デザインを組み合わせ、より大きなベネフィットを実現するために挑戦を続けています。私はこれからも、新たな“光”を見いだすために、スマートホームの見学を中心に多くの時間を費やすつもりです。

マイケル・カネロス氏プロフィール

マイケル・カネロス氏は、ハイテク企業を顧客に持つ総合マーケティング会社であるイーストウィック社のテクノロジーアナリストであり、ハイテク・レポーターでもあります。過去20年間に渡り、ソーラー産業の発展、半導体産業が直面する技術的な課題、サムスンの世界市場への参入、検索技術の誕生とテクノロジー関連の経済の国際化などを題材に、CNET、グリーンテック・メディア、フォーブス、スリーンビズ、ニューヨークタイムズ、ナショナルジオグラフィックをはじめとする出版物に記事を提供してきました。また、フラッシュメモリーサミット、ソーラーパワーインターナショナル、CESなどの展示会のコンファレンスなどでも多数の講演を行っています。最新の仕事については、フォーブスの“Power Forward”ブログに掲載しています。
http://www.forbes.com/

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