CEATEC JAPAN 2014

シーテックジャパン 2014 10.7(火)- 10.11(土)幕張メッセ

Newsニュース

Vol.011

平井精密工業株式会社、高Q誘電体セラミックスを用いた、世界初のミリ波帯LTCC多層基板をCEATEC JAPANで紹介

カテゴリー : キーテクノロジー ステージ

平井精密工業株式会社は、金属エッチング加工を中心として、微細ポリイミド(PI)エッチング、ワイヤー放電、Co2・ファイバーレーザー、切削加工、各種メッキ、セラミックのLTCCまでの社内一貫加工を強みとしている。CEATEC JAPANの同社ブースでは、高Q(低損失)誘電体セラミックスを用いた、世界初のミリ波帯LTCC多層基板を中心に、注目を集めるLTCC関連技術が紹介される。
※LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics (低温同時焼成セラミックス)

高Q誘電体セラミックスを用いた、世界初のミリ波帯LTCC多層基板

平成23年度、経済産業省支援プロジェクト「株式会社ヤスフクセラミックス/丸ス釉薬合資会社/名城大学/名古屋工業大学/東京工業大学/一般財団法人ファインセラミックスセンター/独立行政法人産業技術総合研究所/平井精密工業株式会社」の8機関は、焼結シミュレーションを活用した非ガラス系新材料・新焼結コンセプトの高Q誘電体LTCC基板を開発した。基板上のマイクロストリップ線路ロスがミリ波帯世界最小値を達成したことにより、サンプル基板の提供を開始した。また、従来LTCC基板ではロス過大で叶わなかったミリ波帯多層・小型アンテナ+送受信モジュールの集積化が実現、これにより喫緊のミリ波アプリケーション用としてLTCC基板新市場創出が可能となった。

ミリ波帯LTCC基板の開発成果の概要

ミリ波帯中空構造スロットアレーアンテナ

ミリ波帯スロットアレーアンテナ

LTCC基板材料は加工、機械安定、耐熱、耐振、耐環境性に秀れ、スーパーコンピューターの複雑配線用にも使われ、高周波特性に優れている。しかし、誘電体ロスが周波数に比例増大し、ミリ波帯では使用が困難であった。同社では、ロスを抑え、誘電率を下げる為に、放射及びポストウォール給電導波管にLTCC基板の誘電体を大きく刳り抜いた中空構造を考案採用し、今回CEATEC JAPANで紹介するミリ波帯スロットアレーアンテナを実現した。
※今回紹介されるミリ波帯中空構造スロットアンテナは、東京工業大学、廣川准教授のアイデア・設計・指導により開発された。

受動回路を内層集積可能な、マイクロ・ミリ波帯LTCCパッケージ

マイクロ・ミリ波帯LTCCパッケージ

同社では、準3次元(2.5次元)構造をLTCC基板加工技術のキーと捉え、更に高Q・高精度・薄層化に取組み、気密封止パッケージ、広帯域複数キャビティパッケージ、送受信モジュール基板、放熱用メタルクラッド基板等々を提供してきた。また、アンテナ、フィルター等受動素子を同一基板に内装することで、小型化・部品点数削減・実装工程簡素化を支え、コスト低減“リーズナブル・デバイス”が実現された。また同社は、RFシミュレーター、測定器を社内に有し、基板のRF検査・設計サポートの提供が可能となり、クラッド用メタルシートの加工・エッチング・貼り合せ、メッキ等々迄の一貫した請負いが可能となった。

平井精密工業株式会社

平井精密工業株式会社は、半導体製造装置を始め電子・自動車・医療機器・航空機関連まで対応可能な総合金属加工メーカー。レーザー加工やワイヤー加工のほか、セラミック加工においては低温同時焼成セラミックス技術を要し、設計から製造まで幅広く展開。特にメタルシートのLTCC基板への貼り合せやメッキが社内で行え、設計の自由度、短納期、低価格を提供し注目を集めている。

ブース番号 5K96
出展者詳細情報はこちら
関連リンク
平井精密工業 LTCC加工
http://www.hirai.co.jp/ceramic.html
  • 最新情報分析レポート Futuresource