技術進化を表現
本年度の米国メディアパネル・イノベーションアワードのグランプリに輝いたのが、この「ラリー継続卓球ロボット」。オムロンでは、人に言われた通りのことをするだけのロボットから、人の状態を捉えて、その人に合った行動や価値を提供してくれるロボットの開発をめざして、センシングとコントロール技術を磨いてきた。そのためには機械が自ら考える「Think」を付加することが必要だと考えた。この技術進化を表現したのが、「ラリー継続卓球ロボット」だという。
機械が自ら考えること「Think」で生まれる、人と機械の新しい調和
人とロボットが卓球のラリーを長く続けることを目的に開発されたこのロボットは、人が打ち返しやすい場所へ返球してくれる。ラリーを長く続けるためにロボット自身が相手の位置やボールがどこに飛んでくるのかを予測し、相手が打ち返しやすい場所へと打ち返す判断力が必要になる。
ロボットは2種類の画像センサにより、「人の位置」、「人とラケットの位置」「球の三次元での位置と速度」を計測する。モニター下のセンサが、相手の動きを捉え、モニターの左右にある別のセンサが3次元で球の位置と軌道を毎秒約80回の速度で捉える。さらに、予測制御プログラムにより、ロボット側に返ってくる「球の軌道と速度」を予測する。これらを総合して「判断」し、ラリー相手と同じ速度で打ち返しやすい場所へと返球する。ラケットを動かすロボットハンドは、1/1000秒単位で制御されている。自ら「判断」すること、「Think」の要素を加えたものが、この卓球ロボットといえる。
「人と機械が調和する社会」を実現するためのキーテクノロジー
オムロンではこのロボットで活用されているセンシングとコントロール技術を、FA機器、家電・通信・自動車用電子部品、社会システム、健康医療機器など、幅広い領域へと展開している。今後、工場など生産現場で人の動きの意図を理解したり、人の意思を理解したりすることで、状況に合わせた行動によって人を支援し、人とロボットが一緒になって目的を達成する「人と機械が調和する社会」を実現するためのキーテクノロジーが、このThinkを加えたセンシングとコントロール技術だとしている。
オムロン株式会社
ブース番号 | 3L116 |
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