米国のIoTベンチャー企業Ayla Networks社(エイラネットワークス)は、家電メーカー、製造業向けに、使いやすく安全性の高いIoTプラットフォームを迅速に提供するEnd to Endのソリューション企業。10月3日から5日の3日間、千葉県幕張メッセで開催するCEATEC JAPAN 2017に出展する( 家・ライフスタイル エリア 小間番号 H068)。2015年のCESで、ホテルのスマートルームのアプリ開発で注目を浴び、その後日本にも法人を設立。富士通ゼネラルなど、今年に入り導入事例も相次いで発表されている。CEATEC会場では、同社のソリューションの事例の紹介やプラットフォームなどのサービス内容が説明される。
■IoT化を支援、コストと時間を大幅に短縮
エイラが提供するのは、プラットフォームとAWS上のPaaS環境、そして、WiFi通信モジュールに組み込み済みのエージェント。これらによって、制御ソフトなどの開発技術がない企業でも短期間に製品やシステムのIoT化を実現できる。
具体的には、エイラ対応のマイコンやセンサー、WiFiモジュールなどを製品に組み込み、プラットフォーム上から各種の設定をすることで、製品にIoT対応機能を付加することができる。専門的な知識や制御ソフトなどの開発を省略することで、開発期間、設計コストなどを節約できる。
IoTプロジェクトに固有のセキュリティー、パフォーマンス、スケーラビリティー、相互運用性の問題にも対応。これによって、メーカーは自社の資源を製品開発に集中でき、IoTを通じて製品から入手できるデータを活用し、様々な側面でビジネスを成長に導けるという。
■スマホ、タブレットとの接続を簡単に
同社が提供する「Ayla Agile IoT Platform」は、家電メーカーや製造業者が自社製品のサービスや社内システムとしてIoTを構築・運用するのを支援するプラットフォームだ。特徴は、プラットフォームを通じて、対象となる機器をスマートフォンやタブレットなどと簡単に接続できる点にある。安全性の高い接続環境を容易に構築できるため、IoTサービスやシステムでのIoT利用を迅速、かつ低価格に提供できる。
プラットフォームは、SSLによる暗号化や公開鍵認証など各種のセキュリティ機能を持つ。権限認可のオープンスタンダードであるOAuth認証を用いてユーザーのGoogle、Facebookなどのアカウントによるサインインをサポートしており、また、位置情報サービスや天候フィード、光熱費フィードなどのサービスを付加できるなど、機能の強化も容易だ。
■AWS上のPaaSでデバイス管理
Cloudは、AWS上に構築されたPaaS環境により、デバイス管理、データ分析基盤を提供する。WebAPIの主流であるRESTful APIをサポートしており、動的データ構造にも対応する。ロールベースのアクセスコントロール機能(RBAC)も持つ。ルールエンジン、スケジューリング、イベント通知機能など多彩な機能拡張性を持ち、利用者の環境に応じた柔軟な機能拡張が可能だ。
また、Amazon Alexa対応機能も統合されているため、自然言語によるコントロールもできる。将来的には日本語の対応も可能になるだろう。
WiFiの通信モジュールに組み込み済みの「Embedded Agent」により、デバイスを簡単にインターネットに接続できる。通信方式はWiFiのほか、LTE、Bluetooth、Zigbeeなど主要な通信方式に対応している。
iOS(Swift/Objective-C)、Android(Java)に対応するApp Librariesも豊富で、イベントトリガ、スケジュール、 タイマー、デバイス登録等をサポートしている。また、デバイス、モバイルアプリケーションのローカル接続(LANConnect)機能も持つなど、家庭内利用など幅広い用途にも対応できそうだ。
■コンシューマー製品で実績 CESでも話題に
消費者向けの製品やサービスにIoTを付加するという点ですでに実績をあげている。
2015年1月のCESでは、ラスベガスのホテル、The LINQにおいて、中国のショートメールサービスWeChat(微信)を用いたスマートルームのアプリを提供した。アプリを用いることで、宿泊者は自室の照明や温度管理、カーテンの開閉ができるサービスだ。
また、米国のOwlet社は、同社のプラットフォームを利用したIoTサービスを赤ちゃん用の靴下で提供している。SmartSockと呼ぶ靴下で、体温、血圧、血中酸素濃度、心拍数などのセンサーを組み込み、赤ちゃんが寝てるか起きてるかなどをモニタリングできるようにしている。
米Kiddle社のリモートリンクモニターはコンセントに差し込むだけで部屋の煙と一酸化炭素濃度をモニタリングし、異常が検知されるとスマホに警告が届く。これもエイラのIoTプラットフォームが採用されている。
■日本での採用実績も
2015年5月には、日本にも支社を開設してIoTのプラットフォーム提供を本格化しており、日本企業の採用も増えている。
富士通ゼネラルは今年2月、同社のエアコンに組み込むIoT対応アプリケーションソフト「FGLair」(エフジーエルエアー)をエイラと共同開発したと発表。無線LAN機能を内蔵した家庭用エアコンを世界市場で発売している。スマートフォンやタブレットから、エアコンの電源オン/オフ、室温設定、冷暖房切換え、室温表示などの基本操作ができる。エアコンの故障を知らせる「エラー通知」や「ウィークリータイマー」などの設定も可能。最大で24台まで登録が可能という。今年5月には、日立アプライアンスの合弁企業ジョンソンコントロールズ日立空調が、エイラのAMAPとSDKを用いて、WeChatによるエアコンの設定・起動などの機能を組み込むと発表している。
【Ayla Networks】
- 展示エリア
- 家・ライフスタイル エリア
- 小間番号
- H068
- URL
- https://www.aylanetworks.com