従来よりも10倍の電流を流すことが可能
タムラ製作所は酸化ガリウム基盤を利用した超高輝度LEDに関する展示を行った。
これは従来のLEDで利用されていたサファイア基盤の代替となるもの。透明で電導性があるため、縦型のデバイスを構築できる。この状態では基盤が電流の拡散層として機能するため、従来に比べて約10倍の電流を流すことが可能になるとのことだ。
1チップで高輝度な光源を確保できれば、特に前部にレンズを配置するようなLEDでは、機器を大幅に小型化できる。また、点光源性が強くなるため、ビームを絞るときにロスのない光学設計が可能だ。このため、ヘッドランプやプロジェクターなど、光の直進性を求めるような用途では、より高輝度な製品を開発できるようになるだろう。また、ダウンライトなどではマルチチップの光源を配置した場合、影が多重化して作業の妨げになることがあるが、高輝度な点光源が用意できればこの問題も解決する。
ただし、同じ光量の光源を作ろうとした場合、多チップで構成される製品よりも、面積あたりの熱量は上がってしまう。強制空冷するプロジェクターなどでは問題ないが、ダウンライトなどでは放熱について専用の設計が必要となるとのことだ。
また、タムラ製作所の子会社となる光波では、呼吸センサーを内蔵したLED照明に関するデモを行っていた。
これは、ベッドの真上に設置し、人が座っているか、寝ているかという動作状況を判定。その上で、24GHzのマイクロ波レーダーが呼吸時の腹部の伸縮を感知し、その情報をワイヤレスでスマートフォンなどに送信する。また、今回は東京電機大学の協力の下、シート電極をベッドマットに配置。心電図の情報も合わせて取得できるようにした。
センサーをLED照明に内蔵したことで、バッテリーが不要となり、監視されているという不快感を軽減している。さらに、ベッドだけでなく、リビングやトイレなどさまざまな場所への設置も可能とした。取得した情報を家族や医療機関などに送信することで、将来的には老人介護などに貢献するようなシステムを開発していきたいとのことだ。
株式会社タムラ製作所
ブース番号 | 6K193 |
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